林檎が四十二個 ページ44
「説明会場へは、受験者全員揃ってからの移動となりますので今しばらくお待ち下さい」
恐らく試験会場への案内人であろう男の人の指示を聞き、私はぐうっと伸びをした
『んー、試験の間までどうしましょ・・・』
そう、私は宮廷付き薬剤師見習いになるため、試験会場＿王宮に来ていた
案内が始まるまでの暇潰しを探し、きょろきょろしていると、視界の端を小さな影が通りすぎたので
『っん、よし！』
その小さな影を追って走り出した
＊＊＊
そう遠くない距離を走り抜け、影が消えた場所まで着いた
そこは
『っわあ、薬草が沢山・・・！』
辺り一面に薬草の畑が広がっていた
なんだかワクワクして、傍にある階段で下まで下りてみる
目線を少し下に落とした時
『ん？』
先程の影＿＿小さな男の子がしゃがんで薬草を採取していた
よく見ると、姉様と仕事を探していた時、“宮廷薬剤師“と呼ばれていた男の子
その紛れもない事実に感動ししばらく眺めていると、その子の隣に、恐らく咳止めの調合である薬草が入っている事に気づいた
『咳止め調合は・・・あとナナイロハとココソウでしたっけ、』
指を下りながら呟いている事に気づき、ハッと男の子を見ると
「・・・」
眠たげな目を瞬きしながら、こちらを見ていた
＿＿やってしまいましたぁ・・・！
心の中で悲観にくれる私を知らずか、私と目が合った瞬間、男の子は目を見開いた
きっと怒ってしまっているのだろう、と私は直角にお辞儀をする
『すすすみません！つい・・・』
必死な私の声で気づいたのか、男の子は再び眠たげな目を下に向け、ぽつりと語り出した
「＿＿確かに、ナナイロハとココソウもいるけど、まだ採取時間じゃない」
その続きから発せられるのは、明らかにこの年代の子供じみた事ではなく。
凄いなぁと感心しながらも、いろいろ話を聞いているといつの間にか傍まで来てしまっていたらしい
『あっ、あう・・・』
顔を赤くした男の子は、顔を真っ赤にして向こうへ行ってしまった
是非名前を聞きたかったなぁ、と膝を抱えてしょぼんとするが、とてもいいことが聞けたと立ち上がる
『そっか、ここでは生きてる薬学を学べるんですね・・・！』
またあの子に会う為に頑張るぞーっと手を空に振り上げる
太陽で光に包まれる拳を見て決意を固めた時
「Aーっ！」
丘の上から、爽やかな声が響いた
『ゼンさんっ！』
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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