林檎が四十一個 ページ43
「聞きたい事がある」
そういって黒く笑ったゼンさんの心情が読める事ができず、私は口元がヒクヒクと引き攣った
『は・・・い、』
かろうじて出した小さな返事
どんな質問か等、今更理解できないはずがない
ゼンさんは笑みを消した
「これまでずっと触れることはなかったが・・・お前と赤の国の繋がりってなんだ？」
あまりストレートに聞かなかったのは、ゼンさんなりの優しさなのだろう
質問の主旨はわかっていた
巳早さんとオビさん、私をどうこうしようとしたその二人から出てきた、共通のワード
“赤の国“
赤の国＿＿
この地、クラリネスよりはるか東にある、この大陸では三本の指に入る発展国
国民の暮らしは安定し、王族の質もよく、武器を持たせれば負け無し
6年前に先代の王が暗殺され、その王の息子が就任した途端、今までの勢力がもっと上がり年々国は巨大化している
国の絶対的な平和が保障されたと引き換えに、国の軍隊には“絶対勝利“を掲げた
ラジ王子と巳早さん、オビさんは、そんな凄い所と私が関わりを持っているという
「＿A、無言は肯定と受けとるぞ」
ずっと無言な私にゼンさんは続ける
「前にバカ王子が、その目の保有者はお前と赤の国の王しかいないって言ってたな。もしかして＿＿」
『違います』
感情のない音で、光のない目で、ゼンさんを否定した
『“あの人“と私は違います・・・！』
自然と握った拳が震え、涙が溢れた私を、ゼンさんは胸に引き寄せた
「＿＿お前が話してくれるまで、待つよ。」
誰にも聞こえ声で、そうぽつりと呟いた
＊＊＊
『ほほ、本当にごめんなさい！』
私はゼンさんに全力で頭を下げていた
ゼンさんは私が落ち着くまで、ずっと側にいてくれたのだ
「いいって、家まで送るぞ？」
あまりにも申し訳なくて丁重にお断りした後、私はゼンさんに笑顔で告げた
『＿＿私、宮廷薬剤師になろうと思うんです』
ゼンさんが驚いた顔で理由を聞くので、外に広がる星を見ながら言った
『自分で門をくぐれるようになって、ゼンさんの見方になりたい。』
ゼンさんは柔らかく微笑み、同じように外を見た
「＿＿心強いな。俺も待つ、この城で。その時はお前の話、聞かせてくれ。」
『っはい！きっとです！』
晴れやかな私の心を照らす様に、夜空に星が散らばっていた
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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