林檎が三十八個 ページ40
『確信、か・・・』
先程の話を聞く限り、ゼンさんはどうやら犯人を確信しているらしい
元々私の問題なので自分で解決したいが、無知な私は犯人の目星なんかついていない
＿＿どうやって判断すればいいのか
廊下の柱にもたれながら考えていた
「＿＿何をしている」
低く、威厳のある声で話し掛けられた
突然の事に、慌てて柱から背中を離す
すると、声の源である男が近づいてきた
「宮使いの者か」
いいえ、と簡単には言えない雰囲気
答に戸惑う私を見下ろし、男はこう問うた
「どうやって城へ入った」
その言葉に目を見開く
＿＿まさか、この人が
「門からです。ある方からの許可を頂いて・・・。そうだ！これから向かう予定です。不信に思われるのでしたら、ご同行されますか？』
途中、いい理由を閃いたので思わず手をうってしまったが、まあいい
男は私の言葉に眉を潜めた
『こちらです。』
私は笑顔で男に近寄り通りすぎる・・・予定だった
「待て」
私が近づくやいなや、男が腰の剣を抜き私の喉元にあてたのだ
しかし想定内
男は私を睨みつける
「侵入者を見つけたならこの先へは行かせん、即刻立ち去ってもらう」
男の声は、剣の様にに鋭い
そして城へ入れる権力がある者と私が知り合いなど思えない、と失礼な事を軽々と言うが、何故かふっと笑った
「まあ・・・お前の容姿を見ればわかる。赤い髪に色違いの瞳、おおよそ帝王の目の持ち主。この国の為に使うと言うのなら、喜んで迎えよう。お前なんぞ、利用される為にいるに過ぎん。」
気持ちを抑え、無表情で男に近づいた
『貴方の言う様な、私が所詮利用するしか価値がない、この場にいてはいけない人間なのならば＿その剣で斬り払って止めればいい』
確信が持てた
私が城へ入ってはいけない＿＿あれはゼンさんの言葉ではない
「っ引け、娘！斬るぞ！」
私が泣いて逃げるとでも思ったのか、男は目を見開き焦りを見せる
その間にも一歩一歩男に近づく
『＿＿お好きに、』
男が剣を振るのと、私が笑顔で側を通りすぎるのは、ほぼ等しい
しかし男の横を一歩歩いたとき、私の体には傷一つなかった
どうやら男は剣を鞘にしまったらしい
私はそのまま安堵の溜息をはいた
男に背を向けたまま問う
『ゼン王子の名を語った伝令に、心当たりは？』
私が言ったと同時に、何処からか拍手が聞こえた
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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