林檎が三十三個 ページ35
ゼンside
「＿ゼン、起きれる？」
響いた声に意識を浮上させると、木々が立っていた
「ああ＿」
ふと隣を見るとAがいない事に気づく
俺が眠ってから結構な時間が立っていたのでミツヒデの見送りで帰ったらしい
上体を起こし、先程まで俺の枕になっていたAを思い浮かべた
「(Aの膝枕、かなり気持ち良かった・・・)」
Aの真っ赤になった顔を思い出し、クスリと笑う
その時、ソファーに置いた手に何かが当たった
「＿あいつ、忘れ物か」
それは彼女が持っていた薬学の本
“一日でも早く姉様と肩を並べたい“といつも持ち歩いては使用していた
表紙を撫でていると近くで革靴の音がした
「ゼン殿下＿＿お休みの所、失礼致します。」
「これは＿＿ハルカ公爵」
俺は本を持ち、立ち上がった
＊＊＊
「軽々しく外の人間と会うな？」
俺は木々を引き連れ廊下を歩きながら、ハルカ公爵の話に耳を傾けていた
話の内容からしてこれはAの事
公爵は険しい顔で続ける
「はっ。貴方様は一国の王子、親しくするものは選ばなければなりません。」
「この身と王子の権威を守るため＿だろ？知ってる。」
Aが忘れた本をめくりながら返す
公爵は少しムッとした
「わかっているなら＿＿素性もわからぬ娘をお側に置くのはお止め下さい。」
ほらみろ、やはりAの事だ
しかしその程度で俺が怯む訳がない
公爵は俺の部屋へ入ってなお訴え続けるが、思い出した様に言った
「しかもあの娘＿＿聞くところによれば、あの“帝王の目“の持ち主だとか。殿下もお分かりでしょう、あの目を持つ者の強大な力。余りにも危険です！・・・まあ、利用するのも一つの手かも知れませんが」
その言葉に俺は顔をひくつかせる
「＿ほう？公爵はあの娘を利用する、と？」
公爵はケタケタと笑った
「当然でしょう！あの娘一人でどれだけの戦力になりうるか・・！そうだ殿下はその為にあの娘と！
｣
どんな考えをしているんだコイツは
Aを利用？戦力？ふざけるなよ
俺は怒りで震える手で剣を押さえるが、それに気付かない公爵は納得した様子でドアに手をかけていた
「そうでしたか、私はとんだ勘違いを・・・申し訳ありません殿下。」
最後に礼をし部屋を出た
「・・・ゼン｣
心配そうに声をかける木々の声
俺は逃げる様にその場を後にした
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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