林檎が三十一個 ページ33
｢＿＿卑しい色だ｣
＊＊＊
｢今日Aを読んだのは、ゼンの事で一つ頼みたい事があって｣
階段に差し掛かった所で、ミツヒデさんが不意に言った
『どうかしたんですか？』
ミツヒデさんは変わらぬ口調で続ける
｢この間、お忍びで地方の視察に行ってさ、ま、そこまではいつも通りだったんだけど。｣
お忍びがいつも通りって・・・
私は思わず苦笑いした
｢今回はそれが元で、城の帰還を無断で遅らせてな、周りの大臣に結構言われてさ｣
この話からすると・・・
『お、落ち込んでるんですか、ゼンさん！』
意外だ、という顔をするが、どうやら違うらしい
ミツヒデさんは目の前の扉にノックをした
｢じゃあ反省を態度で示すって、休みもせず執務室に篭り続けてるんだ｣
扉を開ける前に、私は今の話を聞いて思ったことを慌てて質問した
『でもそれ私関係あります！？』
ミツヒデさんはキョトンとした後、“まあ入ればわかるから“と私の背中を押し、扉を開けた
『うわわ、ミツヒデさ、えっ！？』
そっと顔を上げた
「＿＿A？」
ずもももと背後に真っ黒なオーラを背負ったゼンさんが。
ゼンさんは私をじっと見つめた
「・・・幻聴？」
どうやら相当参っているらしい
取り合えず訂正を入れた
『えっと、まだ何も喋ってませんが本物ですよ』
少し困った様に言うと、ミツヒデさんが助け舟を出してくれた
「ゼン、Aは俺と木々が呼んだ。寝てる暇があるならAと会うって行ってたのはお前だろ」
その言葉にゼンさんは顔を赤らめながら、必死に反論する
「書類にAって書き出す前に、少し一緒にいたら」
更に木々さんが追い撃ちをかけた
ミツヒデさんはもっと意地悪したくなったのか、腰に手をおき続ける
「全ての受け答えがAになる前に「ミツヒデ、後でちょっと話し合いな」｣
有無を言わない声に、今度はミツヒデさんが言葉に詰まる
これ以上ここにいたら、顔が恥ずかしさで惚てる・・・！
そう思った私は、即座に声を張った
『あの！・・・今日は帰った方がいいですよね、お邪魔しました！』
お辞儀をした後響く、ゼンさんが立ち上がった音
『ゼンさん？』
名を呼ぶと彼は顔を赤くし、二人の従者を睨みつけた
「・・・卑怯だぞ、お前ら｣
二人は横に並び、敬礼をする
「「承知しています｣｣
そして二人同時に鼻で笑った
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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