林檎が二十七個 ページ29
それからは、ゼンさんと私は二人無言で港に着いた
船を下りた時に、丁度拘束された巳早さんが見えた
ゼンさんの腕から抜け出し、彼に駆け寄る(ゼンさんが呼び止める声なんて聞こえない)
そして彼を捕まえている兵士に塗り薬の入った薬を差し出した
『すみませんっ、これ、その人の傷に使って上げてください。＿＿巳早さん、蹴っちゃってごめんなさい。』
兵士は薬を取り眺める
すると巳早さんがこっちを向いた
｢なぁ赤髪。あんたが言う“自分で行きたい場所“と“やらなければいけない事“って何だ」
私が驚きの声を漏らすと、兵士達は巳早さんを引っ張り、連行を促す
そして最後に彼はこう言った
｢目標があるのは結構＿＿。でもな、いい情報だ、赤の国の第一王子が“ある特殊部隊“を使って、死んだ王女を探している。精々気をつけな」
巳早さんは、ふっと笑って連行された
＊＊＊
やっぱりゼンさんは怒っている
『役人の人達の話だと、巳早さんには族などの繋がりはなさそうですね！』
｢ああ」
『でも念のため、用心はしておきます』
｢ああ」
必死に話しかけても、さっきから曖昧な返事しかしてくれない
私の目を見てくれない
私はゼンさんに、一か八か聞いてみた
『ゼンさん、怒って＿』
｢いや」
何だかとっても胸が苦しくて、気を抜くと涙が出てきそうだ
私は、ゼンさんの肩を強く掴んだ
『じゃあ！少しで言いからこっち向いてて下さい！10秒！』
まくし立てた私に驚いたゼンさんが、はっと息をのむ
『ゼンさん、迎えに来てくれた事、言って足りるものじゃないですけど、あ、りがと＿』
言葉を遮る様に、ゼンさんは私の頭に手を置いた
｢・・・5秒でいい、十分だ」
そういってまた別の方を向いてしまう
どうやら怒っているのは自分らしい
ゼンさんが自分を攻める必要はないのに・・・
｢なあA、お前がさっき山猿に聞かれてた事の答って何だったんだ？」
私はキョトンとゼンさんを見つめ、『まだ内緒です！』と笑顔でいった
ゼンさんは｢そう言うと思った」といって笑い、私を向かい合わせるように抱っこした
｢でももう二度と＿＿嘘をつくな。俺、お前が倒れた時、本気で焦った。」
少し膨れて言うゼンさんに、私は無言でふふ、と笑った
しかしそのままゼンさんに抱っこしてもらって家に帰り、顔を真っ赤にした姉様からお叱りを受けたのは言うまでもなかった
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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