林檎が二十二個 ページ24
朝がきた
唯一外に出られそうな穴には鉄格子がはめられており、そこから柔らかな光が差し込んでいる
いつもの私なら腕を広げて風を感じる余裕があるのだが＿＿
捕われてピンチな私の頭には、ただ逃げるという事しかなかった
『早く・・・早く逃げなきゃ。』
汗を浮かべて、帰りを待っているであろう姉と、命の恩人と言ってもよい一国の王子の顔を思い浮かべた
＊＊＊
ゼンside
執務も終わり、俺は今Aに会いに行こうと馬を走らせていた
いつもより早く執務が終わったのは、正直Aのおかげ。
彼女も頑張っている、これが終わると彼女と会える＿＿と思うだけで、俺は俄然やる気がでる俺は、末期かもしれない
そんな事を考えていると、俺の視界に見知った赤髪が映った
その赤髪も俺に気づいたらしく、こっちへ向かって走ってきた
｢白雪！」
名前を呼ぶと白雪はとても焦った様子で俺に詰め寄った
｢ゼン！A知らない！？」
・・・は？
｢Aがいない？」
｢うん、昨日薬草取りに行くために山へ言って、日が暮れるまでには帰ってくるっていったのに・・・。待ってたんだけど全然帰って来ないの！心当たりはない！？
白雪はもはや涙目、というより泣いている
俺は白雪に一言声をかけ、ある場所へ向かって馬を走らせた
Aを欲しがる奴はごまんといる
もしも昨日の奴らの様な、Aを売ろうとしている誰かがあの船に居たとするなら＿＿
｢っくそっ！！」
Aが無事であることを祈り、俺は馬のたずなを強くひいた
＊＊＊
日が落ちてきた
逃げ出すチャンスは今しかない、とずっと考えていた計画を実行する
＿よし。
覚悟を決めたとき、巳早さんがご飯を運んできた
私の側の樽にのせる＿＿今だ！！
『っえいっ！』
樽に思い切り蹴りをかまし、巳早さんが驚いている間に縄をとき、しかれてあるカーペットを一気に引いた
カーペットを踏んで転んでしまった巳早さんが起き上がる前に出口に向かう
｢おいっ！！」
私は鉄格子を下ろした
巳早さんは格子に鼻をぶつけてしまったらしいが気にもとめず、バッグを持って走った
｢っ何なんだアイツは・・・！
＿＿ん？なんだこれ。」
大事な物を落としてしまった事に気付かなかった
｢ふ、ははっ！やっぱりアイツは＿＿」
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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