林檎が十四個 ページ15
ゼンside
ラジ王子の件が一見落着し、俺達はAを連れて帰ろうと馬車の準備をしていた
すると城の中から、何やら人が倒れる音がした
まさか＿＿
｢A、おいしっかりしろ！！」
Aが廊下に倒れ、苦しげな呼吸を繰り返していた
俺はすぐに彼女を抱き上げ用意した馬車に乗せる
取り合えず俺の膝に彼女の頭を乗せ、顔にかかる髪を払ってやった
｢ゼン」
手綱を持ったミツヒデが俺を呼んだ
｢A、あの“帝王の目“の持ち主なんだな。」
｢＿＿そうだな、俺も驚いたよ」
帝王の目＿聞くと持ち主は“未来が視える“という特殊な能力をもち、うまく使えば大陸2つは容易く支配できるそうだ
中には金と地位に目が眩み、大陸中を躍起になって探し回った者もいるらしい
もはや神のような存在だ
その伝説の目の持ち主が森で出会った少女、Aだったのだ
さきほど俺はミツヒデに｢驚いた」と言ったが、それはミツヒデのものとは違うだろう
俺が驚いたのは、力を入れると壊れてしまいそうな可愛らしい少女が、長い間こんなに重い業を背負ってきた、ということだ
帝王の目は、それこそ未来が予知できるという素晴らしい物だが、その稀少さ故に持ち主にもリスクが伴い、体にも負担がかかると聞いた
思い出せば、
目を押さえる動作
時たま眉間にシワをよせ、痛みを我慢するような仕種
あの林檎は毒が入っているのを予言できたから、俺を救おうと飛びついてきたのかも知れない
白雪は言っていた
“Aは辛い思いを沢山してきた“と
大陸２つを落とせると聞けば、誰でも欲しがるその力
帝王の目は多くの書籍にも登場しているが、どの物語でも持ち主に幸せな最後は訪れなかった
大抵は自分の力に溺れて自滅か、利用されて死亡か
Aはどちらでもなかった
彼女はその力に溺れず人の為にと使い、その分自分は犠牲になってきた
そしてAは珍しい赤い髪を持っている
その両方を欲しがった者達に散々狙われ、王子である俺さえも凌ぐほどの危険な目にあってきたのだろう
ラジ王子に〈人間兵器〉と呼ばれたとき、怒りに駆られた俺とは対照的に、彼女は平然と前を見据えていながら、その小さな拳は震えていた
｢＿＿気づいてやれなくて、ごめん。」
彼女の心の闇に気づけなかった自分に悔やみ
苦しげに喘ぐ彼女の頬に、一つ、小さなキスを落とした
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かるp(プロフ) - 赤司ありあさん» 返信遅れてしまい、すいませんでした。赤司ありあ様、コメントありがとうございます！どストライクですか！？ハートを射る事が出来て嬉しいです。勿論頑張っていきたいと思います！ (2016年2月14日 20時) (
レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
赤司ありあ - おっ！これはエンペラーアイですか？wこれは、もう度ストライクですね！大好きです！！これからも読まさせて頂きます！！頑張ってください (2016年1月1日 19時) (レス) id: 63ba2608d2 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - 猫型。さん» 猫型。様、コメントありがとうございます！最近更新が停滞気味で・・・。しかし尊敬してもらえるとは、とても嬉しいです！ (2015年11月14日 19時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
猫型。 - 作者様の書く小説のリズムテンポが素晴らしすぎて毎度尊敬してしまいます…(,,´ω`)赤髪の白雪姫、面白いですよね！ (2015年10月6日 19時) (レス) id: bf9ac0b0e3 (このIDを非表示/違反報告)
かるp(プロフ) - +*+*はりゅりゅ*+*+さん» まじです！ゼンさんもオビさんも見る度数秒手を止めて見入ってしまいます（毎ページ）！オビさんのボケもかなり好きです！ (2015年8月16日 22時) (レス) id: 3ac4b62ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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