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センラside
…ここは、どこだ。
父さんは、母さんはどこだ。
暗い。怖い。どこから殴られるんだろう。
揺れている。話し声が聞こえる。
……誰だろう、聞いたことのない声。
今度は違う人に殴られるのか。
僕が悪い。僕が産まれてきてしまったことが罪。
産まれて来なければよかったのに。
逃げ出したい。消えたい。
誰も助けてくれる人なんていない。
僕はこのまま殴られ続ける運命なのかな。
?「さ、着いたわよ!」
…着いた?ここは一体どこなんだ?
そもそもこの人達は誰なんだ?
相当訝しげな顔をしていたのだろうか、
彼女たちは慌てて自己紹介を始めた。
「あ、そっかごめん!!私は湊月って言うの!沢田湊月!これからよろしくね!…えっと、名前、聞いてもいいかな?」
セ「あ、えっと…折原、千羅です…」
湊「おっけ、センラくんね!これからは私たちが保護者、えっと…お父さんやお母さんの代わりになるからいくらでも頼ってね!!」
…どういうことだ。代わり?
僕は…解放された…?
そう思うと、一気に涙が溢れた。
泣いたのはいつぶりだろう。
殴られても泣けないくらいに涙は枯れ果てていた。
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作者名:碧空−そら− | 作成日時:2018年8月17日 0時