聞いてますか白石さん【鬼滅の刃】

白石さんが13人 ページ14

炭治郎side






『禰豆子、戻って』


｢ンっ！｣





頭の上に手を置いて敬礼してから
箱にのそりのそりと入っていく。









｢よーしよし、いい子だな！｣









箱をパタンと閉じた事を確認し
再び背負う。








『早く帰れそうだね』


｢なら、早く帰ったら善逸達とお月見でもするか？｣


『帰るの明け方くらいかな』


｢多分その筈だし、甘味処に寄ってから帰ろう｣


『うん』


｢寒くないか？｣


『平気だよ』








寒かったらくっつくと言って再び歩き出すものだから心臓に悪いし、幼馴染みだからと言って女性への耐性なんて今まで着いた事がない。









『…気配が近い』


｢ああ｣


『少し見てくる』








しのぶさんみたいにふわりと宙に浮いて
大きな木の上に飛び移る。

じっと地上を見ていたが突然こちらを向いて
口をパクパクと動かし自分のむいていた方を指さす。
そっちにいるのかと解釈して頷けば木の上から軽々と降りて着いてきてと言う様に先に進む。








｢いたのか？｣


『こっちに走ってくの見た』


｢そうか！｣


『匂い近い？』


｢ああ、良くやったな！｣









任務中故に少し雑になってしまったが
帰ったら沢山褒めてやろう。

足音や匂い、感覚が鮮明になっていく。
瞬間黒い影がAの横を通過した。








『いた』


｢A！？｣


｢危ねぇ〜、少し遅かったら切られてたわぁ｣









頬に少し爪が掠めたのか血が出ていた。
嫁入り前の、ましてやAに

怪我を負わせた鬼に目をやる。

大丈夫、此奴は速さだけで攻撃力は無い、筈
証拠にAに着いた傷は浅く、本当に掠った
だけだと思われる。







｢行くぞ｣


『うん』







Aは目にも止まらぬ早さで
正確に急所を突きに行く。

体力は無いもののやっぱりそれを補うのに
相応後からはなかなか出せないと思う。





『炭治郎』





瞬時に隙の糸を見切り
鬼に向かい刃を振るう。






｢全集中 水の呼吸 肆ノ型 打ち潮｣





怯んだ鬼に向かって勢いを附け頸を落とす。
すると鬼は灰になって消えていく。









『翠、これだけ？』









事前に懐から隠していた鎹鴉に
視察をさせていたのか、流石だと思い頭を撫でるも
鴉が瞬時に俺の手をつついてくる。







｢Aニ触ルナ｣


｢俺は幼馴染だから無理だ！｣


｢ナンダソノ幼馴染ミ理論！｣


『すーい？』


｢奴以外居ナカッタ｣


『分かった、帰ろう炭治郎』

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