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夕食 ページ12

「Aー、飯できたぞ。アオイちゃん待ってるから早く来いよー」
「もうそんな時間か…分かった、すぐ行くよ。」
カズが昼間、アオイにこの広い敷地の中を説明しながら案内してくれていたので、俺は作業場で新しい布作りの準備をしていた。
また集中しすぎていたようで、どっと疲れがきた。
心なしか俺を呼びに来たカズもなんだか疲れているようだった。


「A…今日くらい作業するのやめておけばよかったのに。」
「アオイちゃんの横に座って下さい〜」
マノンとヒナが気づいたら家に帰ってきていて、夕食ができている。いつもと同じだ。今日はアオイがいるから少し豪華だけれど。
アオイは静かに座ってみんなの顔をチラチラと見ている。
「みんなそろったし、早く食べようぜー。俺もう腹減りすぎて限界だー。」
「そうね、冷めたら美味しくないし食べましょ。」
全員で「いただきます」と言うと、アオイも後に続いた。
俺が作業をしている間、思っていた以上にアオイはみんなと仲良くなっていた。
カズとは一緒に昼間外を歩き、少しずつカズのテンションにも慣れたようだった。
マノンとヒナは今日は一緒に夕食を作っていた時にアオイが手伝ったらしい。その時に自己紹介を済ませて少しずつ打ち解けていったようだった。
「アオイちゃんカズに振り回されて疲れたでしょう?この家の敷地広いし、全然分からなかったでしょ。」
「それは酷くない!?俺ちゃんと丁寧に教えたよ?」
マノンとカズがそう言ってアオイを見ると、アオイは返事に困ったようだった。
ヒナはその様子を見ながら、時折ふふっと笑い静かにご飯を食べ進めていた。


食事が終わってカズが皿を洗い、俺はカズの横で皿を拭いて片付けていた。
女子たちは先に風呂に入るので、今日はアオイも連れて行ってもらった。
「アオイちゃん、あんなに小さいのに物知りだな。庭の植物見てすぐ名前言うし、特徴まで知ってたぞ。」
カズは皿を洗い終えて、身振り手振りを加えて話し始めた。
「野菜も花も詳しくて、ちょっとだけど花言葉も知ってるし、育てる上でのポイントも!」
カズはとても興奮気味に話していた。
「アオイは孤児院でよく本を読んでいたからな。」
俺は孤児院でのアオイの様子を思い出していた。
アオイはいつも1人で、だいたい図書室のような部屋の窓際で静かに本を読んでいた。
「孤児院でのアオイちゃんの事聞かせてくれよ!」
今日のアオイを見て興味を持ったカズが、俺の横で目を輝かせてはしゃいでいた。

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白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ@うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…!題名に少しつられてのこのこやってきた者です!オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…!ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…! (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして!続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白詰草 | 作成日時:2019年4月18日 1時

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