孤児院 2 ページ3
どのくらい時間が経っただろうか。
俺がこの孤児院に来た時は夕暮れ時だったのだが、ふと窓の方を見たらすっかり暗くなっていた。
俺が窓を見ているのに気づいたメグさんが、俺の背の方の壁にかけられている時計を見てハッとした表情をした。
｢あら…すっかり話し込んでしまいましたね。良かったらお夕飯、食べていって下さい。みんなもAさんのこと気になってると思いますから。｣
｢俺こそすみません…いいんですか、夕飯まで…｣
メグさんは｢気にしないでください｣と言って俺を部屋に残し、子供たちに部屋を片付けるように言いに行った。
メグさんの話で分かった事は、この孤児院はメグさんが院長になる前からあったほどそこそこ長い間あるという事。2歳くらいの子もいれば、15歳くらいの子もいるらしい。
里親も探していて、子供たちを見にたまに人が来たりすることもあるようだ。
そして、俺が1番気になっていたあの少女は、容姿が小柄で白い肌に濃い青色のくせ毛が特徴的であるためにメグさんが『アオイ』と名前をつけたそうだ。
アオイの過去は本人が話してくれず、メグさんも詳しくは分からないらしい。
アオイは俺が市場でアクセサリーを作っている時、1人でじっと俺の作業を見ていた。
俺の作業が終わるまで。ずっと。
帰るなら俺以外の人に声をかければもっと早く帰れたのに、何故俺だったのだろうか。
｢アオイ…か…｣
｢はっ、はいっ…｣
俺のつぶやきに返事が返ってきた。
一瞬、息が止まる。
心臓の鼓動が速くなるのが分かる。
声のした方向を見ると声の主がそこにいた。
少女が、アオイがドアの前に立っていた。
下を向き、モジモジした様子で彼女が言う。
｢メグさんが…ご飯だから呼んできてって…言うので…来ました……｣
アオイは全然目を合わせてくれない。
とりあえず、アオイについて行かないとアオイが困ってしまう。
これ以上怖がらせてはいけないと思った俺はアオイに近づき目線を合わせて案内してもらうことにした。
｢アオイちゃん、驚かせてごめんね。メグさんから名前を聞いたんだ。ご飯食べたいから案内してくれるかな…？｣
アオイは1度頷き、俺を見て
｢迷子にならないように…｣
小さな声でそう言って手を差し出してきた。
アオイの手は震えていた。
｢ありがとう。よろしくお願いします。｣
アオイは｢うん｣と小さく言うと俺をみんなの居る部屋へと連れていってくれた。
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白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (
レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ＠うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…！題名に少しつられてのこのこやってきた者です！オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…！ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…！ (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして！続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白詰草 | 作成日時：2019年4月18日 1時
