【呪術廻戦】黙ってろモブ２【男主】

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「先生！バナナはおやつに入りますか！」

「入りません！」






不動護摩供(ふどうごまく)のため一時帰宅を余儀なくされた。

これを機にと１、２年の奴らに頼み、家にある書物の回収をすることになったのだが






「そういえばアンタの家何処なのよ」

『奈良』






釘崎に答えてから毎日、恵以外の連中は奈良観光に目を光らせる

修学旅行みたいなんてハシャギまわっちゃって

そんなウキウキしているのを目の端に日々のしかかるストレスに一週間押しつぶされる

あぁ…帰りたくねぇ








＿＿東京駅＿＿

新幹線に乗り込み京都へ

京都からは電車に乗り計３時間３０の道のり






『恵、肩かして』

「断る」





仮眠を取ろうと隣席に座る恵に声をかけるがいつものことながら断られる。そして俺もいつものことながらに勝手に恵の肩に頭を預けた




ちなみに３列シート２つを向かい合わせにして６人と、通路挟んだ２列シートを１つ

俺と恵はその２列シートに座り隣のうるさいワチャワチャから離脱







「A」

『ん』

「追いつくから」






そっと手を重ねられ閉じた目を開ける

恵がこちらを向き目が合うと吸い込まれそうな瞳に俺は何も言えなくなった






「だから少し止まっててくれ」

『お前なりの慰め？』

「そういうつもりじゃねぇけど」

『追いつくも何も、俺は今何にもないよ』






そっと重ねられた手を握ってもう一度目を閉じる





「A」





もう一度呼ばれた名前には何も返事をしなかった

力が戻るなんて保証は無い。

今は無理を言って高専に置かせてもらっているが、それもたぶん１年のうちまで

２年になる時までに呪術師として生きていけないと判断されれば俺は退学だろう







＿＿今度は俺がお前を守る＿＿






たぶん、恵はそう言おうとした

だからその言葉を俺は聞いてはあげられなかった

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