叶 え て や る よ 〈T.F〉6.

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『A』

「あ…スケちゃん」

『太輔っ、来れたんだね』


メッセージを書いていた太輔は手を止めて、


藤「Aさんと同じこと言うんだな(笑)」


…Aさん。


『え？』

藤「俺行くって言ったじゃん(笑)

『そう…だったな！悪い悪い』

藤「これ、書いたらどうしたらいい？」

『あ、俺預かるよ』

藤「そ？ありがとう」

『うん。先、向こうに行ってるわ』

「うん」



スケちゃんは、太輔のポラを持って会場の中へと戻って行った。




藤「Aは？」

「ん？あっ、また忘れるところだった」

藤「ん？」

「旦那からアンナたちのお祝い預かってて」

藤「…。」



あ、元旦那だった。

まあいいか。あっくんたちに私が離婚してること、聞いてるよね。



藤「旦那さん…こっちに一緒に帰って来てんの？」

「え？ううん、帰って来てないよ」

藤「え？」

「今なら、アンナたちに会いに行けるから太輔も案内するよ。あ、席も友達と同じところの方がいいよね」

藤「…あ、うん」

「サブローかスケちゃん、呼んでくるね」

藤「あ、ありがとう」




太輔の様子が気になったけど、それは急に旦那の話が出たからだろうなって、あまり気には留めなかった。



本当は、太輔は私が離婚したこと聞いてなかった。

だから、頭の中で私とスケちゃんのことや、旦那と私のことを考えていた。




サブローを見つけたから、受付に"藤ヶ谷さん"が来ているから案内してと伝えた。





「アンナ、あっくん」

ア「あ、泣いてないじゃん」

「あのねぇ」

あ「忙しくて泣く暇ない？」

「そうゆうこと♪」



二人に預かり物を渡した。



ア「なになに？」

「あのね、私の…元旦那、ゆうとから」

あ「え？！」

「二人の結婚式のこと覚えてて、お祝いだけでもって」

あ「そんなこといいのに」

ア「わざわざありがとうございます。って、ちゃんと伝えててね」

「うん」

ア「まあ、いい人だったしね〜元々！」

「ふふ、うん。あ、あと…最後に色々迷惑かけたからって謝ってた」

あ「そんなこともう終わったことだし、迷惑なんかかかってないのにね」

ア「うん♪私たちが勝手に迎えに行ったのに」

「本当にね、二人には感謝してるよ。ありがとう。おめでとう」

あ「あ。泣く？(笑)」

ア「泣いちゃう？」

「泣かないよーーーっだ！」

「「あははははは」」




「「キャーーー？！？！」」




悲鳴に似た黄色い声が聞こえてきた。



あ「あ、太輔？」

「多分♪」

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