第11話 ページ11
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「…よし、飲もう」
さすがに知り合いの前では飲めないけれど、今日くらい外で飲んでもいいや。
ちょっとだけだぞ、と自分に言い聞かせて、仕事終わりのおじさまたちでごった返す居酒屋に足を踏み入れた。やっぱり、こういう空間が一番落ち着く。いわゆるインスタ映え、みたいなオシャレなカフェよりも、人間くさいこの感じがたまらなく好きなのが私だ。
「こんばんは!いつものお願いしますー」
「あー、Aちゃんじゃない。元気にしてた?」
「はい!お久しぶりです」
居酒屋の店長と言葉を交わす。すると彼女は少し眉を下げて笑いながら言った。
「今日こそはほどほどにしときなね、」
「任せてください!」
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「……んー、……ねむい」
「ほらもう!言わんこっちゃない。
もう遅いんだから帰りな?立てる?」
「たてます…ひとりで帰れます………」
今日こそは控えめにしとくって決めたのに…。
フラフラとおぼつかない足取りで居酒屋を出る。
冬の冷気が火照った体をすり抜けていって、なんとも気持ちいい。
「…眠くなってきたなあ」
見渡すと、コンクリートの地面でさえもベッドに見えてくる。不思議なもんだ。まあいいやここで、と歩道の脇に腰を下ろして意識を手放した。
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どれほど眠ってたんだろうか。
わからないけれど、頭に軽い衝撃が数回。
ぺち、ぺち、ぺち、…ばしん!!!
「…いった!!!」
「バカじゃんお前」
うっすらと目を開ける。ぼやぼやとした視界にはっきりと映った、赤。
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あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時