孤独な道化師

3.電話 ページ6

A side＿




『マジですか。』


⁇《あぁ。まぁ、何とか頑張れ。》



ﾌﾟﾂｯ ﾂｰﾂｰ



『情報少なすぎ。ボスの適当さも大概にしてほしいな。』





時を少しさかのぼる＿





ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ…




『もしもし。』


⁇《やぁ、クラウン。》


『ッ！ボス…』




クラウンというのは私のコードネーム。

あぁ、ボスからの電話は全く予想がつかないから寒気がする。




ﾎﾞｽ《交渉の事は聞いてるか？》


『交渉…聞いてないです。』


ﾎﾞｽ《何もトラ達に言われてないのか。》


『一つの任務に集中しろ、というものなら聞いております。』


ﾎﾞｽ《あぁ、その事だ。》




やっぱり！

何故私に直接言ってくれなかったのか…




ﾎﾞｽ《一週間後、反乱軍の中のルーキーと交渉する。》


『…もしかしてファンター・レオンのとこですか？』


ﾎﾞｽ《流石、察しが早いな。》




確か唯一名前も顔もアジトも知れ渡っている反乱軍の一つだよな。

なのに政府は近づけずにいる…

他の奴らがその任務を嫌がった末に任務を断れない私を選んだのか。




『情報はどのくらい集まってますか。』


ﾎﾞｽ《情報部に聞いた方が早い。俺の手元にある情報は…身長や容姿、アジトの場所くらいだ。》


『…それだけですか？』


ﾎﾞｽ《トラにでも聞け。俺は必要最低限の情報だけあれば十分だ。》


『マジですか。』


ﾎﾞｽ《あぁ。まぁ、なんとか頑張ってくれ。》




情報が手薄すぎる。

本当にそれだけしか情報が無いとすると、交渉が不利になる。

もし上手く行っても…

いや、もう考えるのをやめよう。

情報なら残された時間を思いっきり使ってくまなく調べれば良い。




ﾎﾞｽ《交渉時間などはメールで伝える。》


『はい…。』





＿という訳だ。

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