sib9 ページ9
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「王様だーれだ」
「はい！ この沢村栄純でございます！」
沢村はびしっと手を挙げた。
「沢村うるせぇ」
「さーせん！」
「命令して」
「はっ！ えーっ、5番が7番のものまねをする！」
うわー、5番の人最悪だなぁ。
それより、敬礼しながら命令するなんて沢村らしいわ。
そう思いながら手元の番号を見ると、綺麗に"5"と書かれていた。
「…は」
「Aセンパイ…ッスか？」
「うん、A」
亮介が代わりに言う。
「…7番って誰」
「俺」
「えぇ…」
一也なの？ もっとやだ…。
「さぁ、どうぞ！」
やらなきゃいけないとか…。
ちらっと一也の方を見ると、早くと言うような感じでこちらをじーっと見ている。
…やるっきゃない。腹をくくろう。
一也の真似でしょ？
じゃあ…これしかないよね。
「……はっはっは」
そう言うとこの部屋は、一気にしーん…と静まり帰った。
時計の秒針がカチ、カチと聞こえる。
「……」
恥ずかしいし視線が痛い。
何か反応しろ！
「…他に無いの？」
亮介はあたしを哀れな目で見る。
「頑張ったんですけど！」
沢村、君はなんてことを言ったんだ。
「き、気を取り直していきやしょう！」
「王様だーれだ」
「あ、俺です」
そう言って遠慮がちに手を挙げたのは、春市くん。
この子なら安心だな、と思ったあたしがバカだった。
「3番が4番にキスをする」
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作者名：カナデ | 作成日時：2016年8月23日 18時
