sib22 ページ22
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朝練が始まり、部員達の声が聞こえる。
「ねぇ、貴子」
「ん?」
「あたし昨日まで元気なかった?」
さっきの発言ちょっと気になったし。
「…うん。無理に笑顔を作ってたよ」
苦笑いを浮かべる彼女に、あたしが最近までどんな感じだったのか察しがついた。
「そっか…。貴子も選手達も他の人達にも心配かけてたよね…」
「でも、 Aが元気になって、みんなほっとしてるよ?」
…ほんとに?
「マネージャー! どっちかタイム計ってくれ!」
純の声が聞こえた。
「A、タイム計っといてくれる?」
「うん、いいよ」
タイマーを取りだし、部員達がいるところへかけ足で向かう。
「純〜何計るの?」
「ベース間のタイムだよ」
「へー……あれ? 片岡監督は?」
周りを見渡しても、片岡監督の姿が見当たらない。
「用事で遅れて学校に来るらしいぜ」
「そうなんだ」
珍しいな…。でもなんか違和感がある。
…監督の存在感が強いから?
いや、それは…あれだな。
…あぁ、雰囲気が違うのか。
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作者名:カナデ | 作成日時:2016年8月23日 18時