sib21 ページ21
・
衝撃の事実を知って1週間が過ぎ、やっと気持ち的にも整理がついた。
そして、朝。
「おっはよー!」
あたしは一也を見つけるなり挨拶をした。
「おう、はよ。いつになく元気だな」
ニカっとあたしに笑いかける。
「まぁね」
あたしも笑いかけると、彼は珍しく優しい目でこちらを見た。
「でも、元気になってよかったわ」
「えっ」
「前まで元気なかったしな。なんかいいことあったのか?」
「うん。まあね」
「そっか。んじゃ、また後で」
そう言って一也はグラウンドに向かった。
「おはよう、A」
「あ、貴子! おっはよー!」
いつもどおりあいさつをしただけなのに、彼女はにこっと笑みを浮かべた。
「…? 貴子どうしたの?」
「いつものAだなって思って」
「そう?」
「うん」
貴子にも心配かけてたのかな…。じゃあ、他のみんなも?
みんなには悪いことしたな…。
マネージャーもそうだけど、選手にも心配かけてたなんてマネージャー失格じゃん。
・
102人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カナデ | 作成日時:2016年8月23日 18時