＊トリップをした少女＊【テニプリ】part5

200話*毒* ページ10

「そして、只今監視カメラで確認をさせていただきました」

流石、跡部財閥のやる事は早い。

この流れで行くと、監視カメラで確認するのは一つだけ。








「毒を入れたのは間違いなく里穂さまと断定致しました」

やっぱり。

別に何も言われなくてもそれは分かっていたけどね。


里穂、そこまでおちぶれるとは思っていなかったよ。


これじゃぁ流石に…



A「犯罪者、ですよね」


僕はポツリと呟いた。



コックは驚いたように僕を見るがやがて頷く。


「はい。急速に警察を手配いたします」

A「まって」


すぐにその場を立ち去ろうとするコックを僕は呼び止めた。

何で。

コックの目がそう訴えかけて来る。


A「この事を知っているのは?」

「一応研究員には実験と誤魔化しましたので私だけでございます」

コックがそう言う。

そう、それで良い。

コック一人だけの方が、楽なんだよ。


A「じゃぁこのことは内密に」

――――――――口止めをするのには…ね。


コックが驚いた顔をしているのを見て僕はとどめをさす。

A「一応、命令。絶対に内密にしろ」

命令なんて出来る立場ではないけどそう低い声でコックに言った。

「はいっ!」

元気にそう返事をするコックに僕は背を向けた。




何故、警察に里穂を突き出さないか。


そんなのは勿体ないじゃないか。


さぁ、証拠はそろった。


どうやって里穂を陥れようか。


皆が居る前で暴露?


いや、復讐の邪魔になるだけか。


となると今まで通りに倒しながらも

里穂の事実をちょこちょこ使っていくのが一番かな。





いや、里穂を脅すのにも使えるね。


あ〜あ。


良いオモチャ、手に入れちゃった。








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