＊トリップをした少女＊【テニプリ】part5

220話*白熱* ページ30

A「僕はっ…僕は悪い事なんてしていない!」

手塚「それはお前がそう思っているだけではないのか」


段々と手塚の体は赤く染まってゆく。


しかし苦しいや痛いなど感じさせないように淡々と手塚は試合を進める。



どうして


何で痛いって言わないの


どうして苦しいって言わないの


言えば良いのに


溜めてる事全部言えば良いのに


何でも無いような顔して

意味分かんない。



A「もういいや。手塚と話してても何の解決にもならないしね」

僕はそう言うと回って来たサーブ権に微笑んだ。


まだ試合終了には点があるが…


手塚と喋るのはもう嫌だ。

もう…喋らずに集中しよう。


…試合へ。








A「っ!」


僕はサーブを解き放った。

僕は知らずの内に焦っていたのだろう。


その球は…手塚のラケットを狙い、限界の力で重たく放たれた球は…




手塚の鳩尾へとまるで狙ったかのように吸い込まれてゆく。




A「手塚!避けろ!!」

僕は知らずの内に叫んでいた。

ただただ何も考えず、

手塚が危ない

そうとだけしか思えなかった。



そして僕に返事をする前に、

球を認識して体を動かす前に、




手塚の鳩尾へと綺麗に球が入った。







ドサッと手塚が地面に打ち付けられる

球は手塚の鳩尾から離れコロコロと一つで転がっている

地面に転がる想像が出来ない手塚が

転がったままピクリとも動かない。


僕は暫く呆然としてしまった。

いつもはそれなりに手加減をしている。

人に当てる時は急所や危ない所は当てないようにしているし出来るだけ痛くないように加減はする


だけど今はラケットに当てる気だったのだ。

手塚のラケットを吹き飛ばす気で、思いっきり。

それが体に…鳩尾に当たったらどうなる?


僕は我に返って手塚の元へと駆け寄った。



A「手塚っ!」

近くへと寄っても、僕が手塚を仰向けに寝かせ直しても

手塚はピクリとも動きはしない


A「ごめ…ごめん…手塚…体に当てるつもりじゃなかったんだっ…!」


体が震える。

どんな痛みを味わっているのか分からない

だけど

全力で球を体にぶつけてしまった


その事実は変わらなくて


大好きなテニスで自分に傷がつく



その屈辱と怒りを思い出した。




―――――
☆生存者確認←☆
手塚*菊丸*越前
鳳*芥川
柳生*丸井*切原

☆Aちゃんの味方(?)☆
芥川
柳生、丸井、切原
(菊丸)
―――――

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