黄瀬涼太キライ同盟。【灰崎祥吾】

２６：新学期 ページ29

いつもの通学路。でも、少しだけ景色が違う
桜の木が舞い散り、辺り一面桃色の景色は＿＿嫌いではなかった。

今日から、3年生となる。

「…っわぁ、何か…緊張する」

新学年になるというのは、どうも慣れない。まぁ、誰だってそわそわしてしまうものだと思う。

私にとっては＿＿あんなことがあったため、学校に行くのが気まずいという理由もある。正直、教室に行くのが怖い。


……クラス替え、かぁ。


「祥吾と、同じクラスがいいなぁ。」

ポツリと呟いた瞬間、自分で恥ずかしくなった。

「最近、いろんなことがあったなぁ…」


＿＿愛梨ちゃんに嫌われて

＿＿涼太君に嫌われて

＿＿皆離れていって





＿＿祥吾と出会った。



今は、何よりも誰よりも大切な人。

大事な＿＿”友達”。



「…うっわぁ」

考え事をしていたら、あっという間に校門前までついてしまった。下駄箱の前の人だかりをみて、思わずめまいがする。…あの中に突っ込んでいくの？

「どうだった！？」
「やった、同じクラス！！」

横でそんな会話を聞きながら、人込みをかき分けていく。何とか前のほうまでたどり着いた。
＿＿が、


「…見、えない」

何、前の人
超でかい。

「ちょっと…屈んでもらえませんか？」
「…んー？」

私の声に反応し、振り返った人物を見て驚く。


「紫原くん…？」
「あ…Aちん」


うっわ、なんか懐かしい。


あの件があって以来、一度も会っていなかった

女バスの妖精＿ﾌｪｱﾘｰ＿こと、

紫原敦と再会しました。

27：紫原敦→←水島リツの部屋。＊

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