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86話 ページ6

「おい、今日で1週間だぞ…。」

「さすがに焦るよな。」




 どーすんだ、と焦った声を出す若武くん。

 皆も深刻そうな顔をして俯く。


 私も、一口しか食べていないお弁当に蓋をしようとした。…もう、食べれない。

 すると、黒木くんがこっちを向いて言う。




「アーヤからの連絡は、あれ以来もうない?」

「…。」




 無言で頷く。

 あの日の夕方、彩から一言だけのLINEが私のスマホに届いた。


 『今日はごめん。』

 たった、それだけのメッセージ。


 そして…、それから彩は学校に来ていない。

 どれだけ電話をかけてもメッセージを送っても、てんで無視。電話は繋がらないし、着拒されることもある。LINEなんて、既読すらつかない。

 …ブロックされたのか、と不安になる。




「きっと、気持ちの整理がつかないんだろうね。」

「いきなりの再開、だもんな。」




 深刻な顔をして俯いているけれど、皆は至って冷静だ。行動しようと…しない。

 家に行こう、と私が言っても首を横に振る。


 でも私は…




「今日、彩んちに行く。」




 皆は目を見開く。

 そうだよね、あれだけ言ったのに行こうとするんだから。




「待つって、皆で決めたよね?菜穂ちゃん。」

「心配なのは分かるけどよ。」




 困ったように笑う小塚くん。

 溜め息混じりに口を開く上杉くん。


 私1人が宥められている、そんな光景が嫌だ。

 全員で説得されると、皆が絶対正しくて私は手のかかる面倒な子みたい。

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月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - ゆいさん» 明後日、予定どおり公開しますね! 私で良ければなりましょう、嬉しいです!! 応援ありがとうございます〜!! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ずっとずっと応援しているよ! (2021年1月20日 20時) (レス) id: acb042024b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 待ってます! あの、もし、良かったら友達になってくれますか? あっ、迷惑だったら全然いいんで! (2021年1月20日 20時) (レス) id: acb042024b (このIDを非表示/違反報告)
月瀬澪海 @ゆぅら(プロフ) - ゆいさん» 全部!! 嬉しいです、ただいま5章執筆中なので、もう少々お待ちください( ´ー`) (2021年1月17日 18時) (レス) id: 69c985532c (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 1から全部読みました!ゆいです!楽しみにしてます!! (2021年1月17日 13時) (レス) id: acb042024b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月瀬澪海 | 作成日時:2020年12月1日 17時

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