ヒロインなんて、なりたくない。１

4話 ページ4

「じゃあ立花さん、入学式終わったらまた話そう！」

「うん、いいけど保護者のかたは来てないの？」

「あー、うち共働きで休みとれなくてさ。」




　そんな会話を交わしながら廊下を走り、教室に滑り込む。担任はまだ来ていないらしく、ザワザワした空気だった。

　ひ、一安心………



　ガタッと音を立てて黒板で確認した席の椅子を引き、腰を掛けて息を吐いた。

　ふぅ………




「ギリギリセーフだったね。」




　へっ？

　声がしたのは、隣の席から。その声の主は、金髪の乙女カットでthe美少年って感じの男子だった。

　外国人なのかなあ、珍しいよね。金色に染めてるわけでも無さそうだし……


　はっ、返事！




「う、うん。ギリギリだった……」

「ねぼー？」

「ま、まあ……」




　クスクスと楽しそうに笑ってくれているみたいだし、とりあえず大丈夫だったのかな……？

　高校デビューは、やっぱり緊張するー……

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