ヒロインなんて、なりたくない。１

24話 ページ24

「祐って、何欲しいんだろ……。よく分かんない。」




　いつもパーフェクトな美門くんが、眉を寄せながら女の子が来る雑貨屋さんで悩んでいる… ファンが知ったら、ギャップ〜とか言って騒ぎ立てそうだなぁ。

　でも、それだけお姉さんが大切で仲がいいってことだよね。

　素敵だなぁ…。









　結局、悩みに悩んで選んだ結果『花柄のハンカチ』と『大人っぽい黒のお財布』になった。

　美門くん……、センスいいんだなぁ。




　もう用は済んだから、帰ろうと出入り口へ歩き出したときだった。

　わっ！！サーティワンだ！




「アイス、食べてく？」

「えっ、いいの！？」




　きっと無意識に身体で反応していたんだろう、アイス食べたいって。

　美門くんがそれに気がつき、ニコニコしながら誘ってくれたのでお言葉に甘えて寄ることにした。



　人気チェーン店ってこともあって、やっぱり大行列。

　その間にじっくりメニューを見た。



　やっと私たちの順番が来て、注文完了。

　お会計をするために、バッグからお財布ポーチを取り出そうとすると美門くんに止められた。




「俺払うからいーよ、お礼ってことで。」

「ええっ、そんなの悪いよ……！」

「立花さん。
そういうとき女の子は、笑ってありがとうでいいんだよ。」




　天使のような微笑みを向けられて、断念……。

　何とか粘ろうとしたけど、後ろに並んで待っている人はいるし時間をとるのも迷惑だろうから、ね。

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