ヒロインなんて、なりたくない。１

22話 ページ22

若武くんはね、多分美人な菜穂に一目惚れしてたんだと思うの。

　私と話してて、私を迎えにくる菜穂をずっと見てたんだろうなぁ……。

　この前も、大分無自覚な菜穂に顔を寄せられてまっかっかになっていたのを私は見ていた。

　皆は話していて気がつかなかったけどね。



　若武くん、運いいんだね。

　見られてたら、これでもかってくらいにからかわれちゃうよ。(特に美門くんに…)




　でも…、多分黒木くんは気がついてると思う。

　だって、若武くんが真っ赤になってたとき皆の方を見たら私と目があったんだもの。

　黒木くんと、菜穂の気持ちも多分そうだよ。上手くいくと良いね。って今度話したいな。

　２人の役に立てたらいいなぁ、なんて。



　両片想いって、マンガだけの世界だと思ってた。

　青春してるなあ…、なんて微笑ましく思ってクスリと笑みを溢したけれど、

　恋愛したいなぁ…、とは思わなかった。

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