１９話 ページ19
三・A？
そこには、いつもの場所に布団が敷かれていた。
いつものように、布団の中に丸まっていた。
だが―――彼女は、悶えるように蹲っていた。
三・っ―――A！！
貴・かっ……は……かひっ……かっ…ひくっ…
先程の音の正体はこれだ。真っ青になり、駆け寄る。
三・Aっ……おい、A！ 息をしろ！！
貴・あっ……かはっ……ぁ……かひっ…
異様な過呼吸だ。いや、それが過ぎて、呼吸ができていない。
汗がじっとりと滲んでいた。苦しそうにぎゅっと閉じた目から、はらりと涙が零れ落ちる。
貴・かひっ……かひっ…かっ、は…
三・っ……誰か、医者をっ―――
駄目だ。医者なんか悠長に待っていたら、呼吸が止まる。
時間がないのだ。考えている余裕など、刹那もない。
三・チッ…
舌打ちを漏らす。大きく息を吸い込む。
俯いていたAの顔を無理矢理に上げ、ぐっとその口を口で塞いだ。
人工的に呼吸をさせる。息を吸っては口の中に送り込む動作を何度か繰り返している内に、すっとAが息を吸う。
貴・ぐっ……はっ……はぁっ……はっ……じ、治部…
三・ ……大丈夫か…？
貴・う……はぁっ……大事、ない……すまないな…
肩を大きく上下させ、努めて呼吸を整えようとしている。
随分顔色が悪い。僅かに震えている。
乱れた前髪を後ろに流してやると、珍しくされるがままに目を閉じた。
三・ ……酷い汗だな……水でも飲むか？
貴・いらない……ただ、酷く寒い……昼間、やはり厚めの布団を買っておけばよかったな…
冗談めかして言ってのける。余裕もないくせに、よくそんな言葉が出てくるなと思う。
三・ ……昼間のことか。……思い出したのか？
貴・ ……多分、違う。もう済んだことだ……もう、批判する者などいないはず…
三・ ……すまなかった…
貴・何故、お前が謝る…
珍しくAが困惑した表情を見せる。それでいて、泣きそうだ。
三・私がお前の父の部屋に行かなければよかったのだ……そうすれば―――
貴・っ…
パァン、と軽い音が部屋に響く。
三・！？
頬に衝撃が走った。どうやら、平手打ちをされたらしい。
貴・ ……一回で聞け。単に妙な呼吸をして、過呼吸になっただけだろう
三・だからと言って、普通に叩くか！？
貴・すまん。これで落ち着いた……あぁ、汗をかいてしまったな。湯浴みしてくる
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三成様か元就様か・・・ - お市ちゃん・・・(((勝家ｼｮﾎﾞｰﾝωっなっていますね・・・私も三角関係にはなりたくはないですよ。気を付けていかなきゃ\∀/((( (2014年4月7日 18時) (
レス) id: cd15a67b13 (このIDを非表示/違反報告)
三成様か元就様か・・・ - そんな感謝なんて照れちゃいます////というより蒼き天弧さんの小説の存在こそに感謝しているというのに！！照れちゃいます//////(((ｽｺｼﾀﾞﾏｯﾃﾛ (2014年4月5日 14時) (レス) id: cd15a67b13 (このIDを非表示/違反報告)
蒼き天狐(プロフ) - 三成様か元就様か・・・さん» いえいえ、コメ感謝です(´∀｀*) こんな駄作者の作品を読んでくださる人とコメ欄でお話できるのは、凄く嬉しいです(*´ω｀*)まずは感謝を！(`･ω´･ ）◎） (2014年4月5日 1時) (レス) id: 5c567eb5ef (このIDを非表示/違反報告)
三成様か元就様か・・・ - ん！又兵衛にも脈ありですか！！あっなんだかコメ欄がわたしだけ・・・うぅ少しだまってようかしら・・・？・×・(黙んないけどね((( (2014年4月4日 22時) (レス) id: cd15a67b13 (このIDを非表示/違反報告)
三成様か元就様か・・・ - いきなりですが・・・「声なき姫は、甘えん坊」の続きがものすごく気になって仕方がないんです＞〜＜もしもお暇があればそちらも更新していただきたい！！ (2014年4月3日 17時) (レス) id: cd15a67b13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼き天狐 | 作成日時：2014年3月21日 18時
