レッドオーブのあるところには ページ13
ASide
未だ晴れない表情のお兄ちゃんの横顔を見ながら、私は悶々と考えていた。
デルカダールの奴らいつかぶっ潰すとか、そんな野蛮なことじゃないけど。
あの村にはどんな人々が住んでいたのだろうか。どんな動物達がいたのだろうか。お兄ちゃんはあの村で16年間、どんな日々を送ってきたのだろうか。
そんなこと、悲しい姿の土地からは想像もつかなかったから、余計に気になった。でも、今聞くべきでないことは重々承知している。魔物をサクサクと狩っていれば、いつしか最深部へとたどり着いていた。
カミュ「ここにレッドオーブがあるんだな…
ってちょ、マジか!何か強そうなのが2匹いるぞ…!」
カミュさんが小声で慌てている。カミュさんの脇からそろっと覗き込んでみると、
A「…なぁんだエビルホークじゃん」
カミュ「えっお前知ってるのか?」
A「まぁ…」
知ってるも何も、1人で3匹くらいのエビルホークの群れをたたっ斬って来たわ。
意外と世界を知らないんだなこの人。なんか不安になってきたなぁ…私のレベルで頼る人じゃないな…←
A「ちょっと行ってくる」
イレブン「…!!!待ってA…っ!」
今まで口を開かなかったお兄ちゃんが突然弱々しく声を発した
A「え、何お兄ちゃん。手っ取り早くここを出ようよ」
イレブン「…もう誰かを失うのは嫌なんだ…
君を1人で行かせない、僕も行く。役に立てるかは分からないけど」
カミュ「そうだ、いくら強いとはいえ女の子ましてや年下を1人で魔物に戦わせるわけにはいかないな。
さ、行くぞ二人とも!レッドオーブを取られる前に!」
1人で旅することが酷く残酷で、寂しいことが分かった。
A「…ありがとう、お兄ちゃん、カミュさん」
仲間ってあったかいなぁ。
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作者名:( ˙-˙ ) | 作成日時:2018年1月14日 22時