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【第七十一話】 ページ24

あの後、敦はギルドに誘拐され、鏡花はギルドとの接戦の末近場に見据えていた警察に連続殺人の容疑で逮捕された。



それから一週間、横浜のとある街では一人の少年が万円の笑みで街を彷徨いていた。

「やっぱり外っていいなあ!皆楽しそう...ふふ、誰で遊ぼうかな」


少年は片方黒髪のもう片方白髪という変わった色合いの髪をしていた。
リボンの付いたオマケの様に乗せられた小さな帽子に黄色のマフラー、黒のコートとチェックの短パンに身を包み、肩にはピンクを主体とした笑顔の書かれた円型バッグをぶら下げていた。

普通の人間とは違う、一風変わった雰囲気をか持ち出している。


「あ、でも仕事が終わるまで他の人と遊んじゃ駄目って森さんに云われてたんだ。つまんないなぁ...。

ねえ、だからおじさん、遊んでよ」

「.....?」

そう言い少年が腕を掴んだ男は、ギルドの触手使いラヴクラフトだった。

「おじさんギルドでしょ?僕を楽しませてよ」

「楽しませる.....子供を...?」

ラヴクラフトの中で子供を楽しませるというと、遊園地などでよく見かけるバルーンアートが浮かんだ。

「ダックスフンド」と言いラヴクラフトは触手で作って見せるが、とてもダックスフンドとは言い難い君の悪い触手の集合体が出来た。
これには流石の少年もドン引きだ。


「へんてこな異能!それじゃあ僕の異能も見せるね」

そう言い少年が取り出したのは茨のようなトゲトゲとした楔だ。
少年はこれを自分の手に巻き付けラヴクラフトの体でグリグリと押すと、少年の手は血だらけになった。

すると同時にラヴクラフトの顔に奇妙な手形が浮かぶ。


「僕を傷つけた人にはその手形が出るんだよ」

少年は狂気じみた笑顔で「さあ...とびっきりの狂気を見せてよ」と言った。
しかし、


「私には...狂気はよく判らない」

ラヴクラフトは体を在らぬ方向へとどんどん変形させていく。それはお伽噺で見た世界を脅かす怪物の様な姿だ。
とうとう人型ではなくなると

「狂気とは...これのことか?」

と少年に問いた。だが少年は既にラヴクラフトの狂気に呑まれていた。

────〇────

同日、此処は白鯨の中。もっと詳しく言うのであれば、白鯨の中に作られた医務室だ。
其処にはボロボロになったホーソーンとミッチェルがベッ ドに横たわっていた。


「ここは...」

そんな中、目を覚ましたのはホーソーンだ。

状況把握の為辺りを見渡すと、隣には己と違い顔全体を包帯で巻いたミッチェルの姿があった。

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星月 菜兎(プロフ) - アメ子さん» お返事ありがとうございます!!楽しみにしています!!更新頑張ってください!! (2016年11月18日 23時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - 星月 菜兎さん» 両方のエンドですね…(; ・`д・´)ゴクリ ではお話が終わり番外編が出来次第、片方のエンドを製作してみようと思います!リクエストありがとうございます!(≧∇≦) (2016年11月18日 7時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
星月 菜兎(プロフ) - コメント失礼します!!ハッピーエンドも見てみたいですがバッドエンドも見てみたいです!!ぜひお時間ありましたらどちらも書いてください!!わがまますみません!! (2016年11月17日 1時) (レス) id: c1b876223e (このIDを非表示/違反報告)
アメ子(プロフ) - ゆずかさん» 3周もリピートされているとは…!大好きだと言ってもらえて嬉しいです、これからと頑張ります!!ヽ(。・ω・。)ノ (2016年11月15日 21時) (レス) id: 664edc9cf7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - 1ヶ月半ほど前から前作を読み始め、最近やっと追いつきました!これからどうなるんだろう、とワクワクしながら3周ほど読み直しています。何回読んでも飽きなくて面白くて大好きです! (2016年11月15日 20時) (レス) id: 6d28a617a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アメ子 | 作成日時:2016年9月16日 19時

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