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「は?」
「え、そうなんシッマ」
思わずついて出た声には気づかなかったのか、ゾムが素直に首を傾げる。ちらりとショッピに視線をやると、彼は無言で俺を見据えた。彼の意図は読めない、が
「あーせやねん、ちょいバスで酔ったわ」
「確かに、ずっとスマホ見てたもんな。まぁええわ、トントンとグルッペンと先行ってるから、後からショッピくんと来てや」
「ん、りょーかい」
彼が何かしら、意図的に行動したのは分かる。
俺はショッピくんに合わせて、他三人と別れた。
「かき氷でも食べますか」
バス停から歩いて砂浜に向かい、屋台のかき氷をそれぞれ一つずつ買って空いてる席に着いた。
ここまで来ても彼は特に何も言わない。元々口数の多い男ではないが、意味もない行動を取るような奴じゃないことは確かだ。いやでも…こいつゾムの食害から逃げたかっただけか?その可能性も無きにしも非ずだ。
安っぽい味を感じながら彼の思惑を探っていると、不意にコネシマさんと呼ばれる。
「何かあったんすか」
「何かってなんや」
「それは知らないっすけど、様子変やったから」
注意力散漫な俺とは違い、こいつはよく周りを見てる。確かに最近は明らかに気がたってるのは自分でもわかってるが、いざそれを指摘されるとどう説明したらいいのか分からない。ましてや女とのいざこざなんて話してみろ。絶対ネタにされる。
そう返事に渋っていると、ショッピが勝手にそういえばと聞き捨てならないことを話し出した。
「コネシマさん、絶賛恋愛中なんやっけ」
「……………………は?」
「いやぁ、シャオさんが女子と二人で花見しとったって言うてたから」
確かに、Aと花見に行った先で会ったには会った。それに揶揄されたのも覚えてる。が、アイツ話広めてやがるな…
「コネシマさんが好きになるなんてどんな人なん。あれか、めちゃくちゃ金持ちとか?」
「別に、普通の女やけど…」
「普通とか言いつつ、美人なやつやろ」
やけに食いついてくるが、これといって普段のように煽ってくるでもなく、ただ興味本位で話しているようだった。それより、さらりと悩みの種を当てられてこいつの観察眼に少しだけ感心した。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると、まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです!! (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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