本 能１２【銀魂】

第２９８話　憐SIDE ページ1

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ア)はぁ！？
あいつらが本当の姉弟じゃねぇだと？
何言ってんだぁ、すっとこどっこい。


憐)俺に文句言うなっ！
文句なら、散花に言えって！！


俺の声が、


薄暗い廊下に響く


そして・・・


ア)・・・あ。


その一言に、


顔を上げた俺の目に飛び込んできたのは、


憐)高・・・杉？


高杉晋助だった。


屯所で何度も話題になったのを覚えてる


「祭りに現れるらしい」


「道端で見かけた」


悪いと、


毎日聞かされてたその名前と・・・


指名手配の張り紙で見慣れた顔。


あの張り紙でも、


危険なオーラをムンムンに放っていたような男だ


いざ目の前にしたら・・・


やばいぞ、これ。


包帯で隠れた左目が、


余計にそんなオーラを引き立たせている


憐)お、お前っ！
たたたた、高杉か！？
攘夷志士の、高杉なのか！？


高)・・・あ？


憐)・・・っ！


高杉は、


俺の着ている真選組の隊服を、


しばらく無言でながめた後・・・


高)・・・じゃあな、ガキ。
Aと神威に、よろしく伝えといてくれ。


床に座り込んだ、


小さな子供に向かってそう言い残し、


廊下を歩いていってしまった・・・。


憐)あっ！おい待てって！！


慌てて追おうとするけど、


ア)・・・やめとけ。


アブトに止められた


ア)ここでは、あいつを追わないほうが身のためだ。


憐)はぁ！？何言ってんだよ！？


ア)俺たち春雨は、高杉らと手を組んでる。
ここであいつを捕らえるようなことしたら、
あのバカ提督に、ぶっ殺されるぞ？


憐)・・・っ！


一瞬、


俺の頭の中に


神威の笑顔が思い浮かんだ


憐)分かった。やめとく。


ア)よし、それでいい。
・・・てかお前、高杉にビビってたろ？


憐)・・・な、何言ってんだよ！
び、ビビってなんかいねーし。


ア)本当かぁ？


憐)本当だよっ！


しかもその上、


そんなことを言われたもんだから、


さすがの俺も・・・焦った。


そんなに俺、


ビビってた・・・か？


うーん・・・


よくわかんねーや。


ア)おい、神恋。
大丈夫か？


そんな俺の隣で、


アブトは


あいかわらず


床に座り込んだままの少女に話しかけていた


「神恋」って・・・


たしか、


Aと神威の・・・。


恋)あ・・・アブトっ！


ア・憐)・・・っ！


その娘は、


泣いてた・・・。


大粒の涙が、


白い頬を伝って、


床にポツポツとたれていった・・・。

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