小さな神威くんの飼育係

新章 第23話 『勘違い』 ページ39

「よォ、機嫌はなおったのか？」





！





『た、高杉晋助！』





後ろを振り向けばそこには鬼兵隊幹部3人がいた






「...やあ 高杉晋助
機嫌はちょうど今悪くなったところだよ」






とギロりと高杉を睨む神威






『ちょ、あんた何ガンたれてんの?!』






と焦るが神威はあたしの声なんか
知らんぷりし、こう続けた






「悪いけど、お前らが関係を持って
いようが、俺には関係ない。
必ず俺のにするから見てなよ」





とあたしを自分の背にやる神威だが、
ちょっと待ってもらいたい






『あの、さっきからなんの事だよ』





と言えば神威はえ？とこちらを振り向く






『なんであたしと高杉晋助が付き合ってる設定に
なってるんだよゴラァ！！！！！』






とあいつの両耳を引っ張る
するとあいつは訳が分からないと言った顔で
あたしと高杉を見た






「クククク...確かに俺はAを口説いたが
断られちまってなァ...お前さんがどこまで俺ら
の話を聞いてたかは知らねェが、俺とAは
そういう関係じゃねェよ」






と笑う、それに分かったか？
と神威の方を見ると何故かあいつは口元に手をやって俯いていた







『この感じ...前もどこかであったな...』






と総悟のことを思い出す
そしてニヤニヤしながら神威の顔を覗き込もうと
すると神威に頭を鷲掴みされ阻止された






「まぁ、そう言うことだ
お前が苛立つことなんかあるめーよ」





とまた子達と共に去っていった






「...っはぁぁーーーーー...！！！！

俺、すっごい格好悪いじゃんか」






と項垂れる神威にトクンと胸が高鳴る







『ばーか、あたしが付き合うわけないでしょ』






と微笑みその日は丸く収まった。








と思っていたのは私だけだったようだ







ー
ーー








「待ちなよ」





と背後から呼びかければゆっくりと振り向く
ある男、





「...なにか言い忘れでもあったのか？」






とニヒルに笑う高杉晋助に
神威は鋭い目付きでこう言った






「あんたAの事本気なんだろ」






と言うとククククククと笑い出す高杉、
そして静かにこう言った







「よく分かったな
最初口説いた時は冗談半分だったが
まさか断られると思ってなかったからな
俺を拒む女はあいつが初めてだ
少なからず興味はある、それは確かだ」






と不穏な空気が2人を包んだ

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