小さな神威くんの飼育係

新章 第32話 『意地悪』 ページ48

提督の件があってからますます天人達から
距離を置かれる日々。
今じゃ、あの高杉と神威を手玉に取っている、
なんて噂まで作られていてある意味恐れられている
みたいだ。





『ほんと、噂が一人歩きしてて
どんどん皆が遠ざかっていくよー…』





なんて机に突っ伏していると、
神威があたしの頭の上に肘を置き
くだらないと言った感じで鼻で笑って来た






「俺に取っては都合がいいけどね
これ以上敵が増えなくて助かるよ」






と言うので
はぁ？とあいつを睨みつける







『わけわかんない事言わないでよ
あんた性格悪いし春雨内にあんたの事
嫌いな奴沢山いるに決まってんじゃん』






と呟けば
思い切り頬をつねられ
怖い顔で視線を合わせられた






「本当にお前分かってなさすぎて
腹が立つよ。気づいてるのか気づいてないのか
知らないけど、分かった上でそんな事言って
るんなら相当お前も嫌な奴だね」






と頬から手を離し
ぶすくれたようにあたしに背を向け
ベッドに寝っ転がってしまった。





本当に何言ってるのかわからない。
通訳者を呼んで欲しいくらいだ





『ちょっと、何寝てるわけ？
あたしが部屋に遊びに来てるんだから
構えよ』






と寝てるあいつのくるぶしを掴んでぐいーーっと
引っ張る。するとあいつは不機嫌そうに
あたしを見つめ、こう言って来た






「お前の中での俺はずっとあの時のまま
なわけ？」







『あの時…、あの時？』







うーーんと頭を捻る。
あの時とは、神威が人形サイズの時のことだろうか
いやむしろそれしかないはず。そっくりそのまま
質問すればあいつはずっと黙ったままで
そっぽ向いている。




肯定と受け取っていいんだな。






『人形サイズの時の神威か〜…
あの時はなんかペット感覚だったけど
今はなんか大きくなってるし、違うのかな〜』






というと神威は起き上がりニヤリと
笑い突然あたしにこう言ってきた








「なあA、服、脱げよ」








は？









『あの、神威？
何言ってるかよくわからないんですけど』








といえばあいつは立ち上がりズンズンこちらに向かってくる。そしてあたしの服を掴み脱がせようと
引っ張ってきた





『ちょっと？！』







「何躊躇ってるんだよ？
お前の世界にいた時、よく部屋で下着姿に
なってたじゃないか。それに、
俺に羞恥心とかわかないんだろ？」







とニヤリと笑った

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