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幸せ ページ27

「Aちゃん一緒にかえ...。」

「あ、この後用事あるんで一人で帰ってください。」

「ええ!?ちょっとAちゃん!!」

太宰さんに止められたが、俺は「お先に。」と言って探偵社を後にした。

用事というのは前から約束していた安吾さんと食事しに行くことだ。

「あ、安吾さん!!」

待ち合わせの場所にきっかり七時に来ていた安吾さん神やな。

「では、行きましょうか。」

俺は後ろから安吾さんについて行く。

いいお店には疎いので安吾さんに任せたのだ。

着いたのはお洒落な洋風レストラン。こういう所でお得意様とかと話したりすんのかな。

「此処前は違うお店があったんです。」

「...織田作さんが通ってたお店ですか?」

安吾さんは頷かなかったが俺が言ったことは当たったんだろう。

数年で街は変わるものなんだなとそんなこと思った。

俺が頼んだのはハンバーグで、ジューシーでとてもおいしかった。

ご飯を食べ終わると、次に向ったのはバーだった。勿論、太宰さんたちが通っていたところ。


店に入ると、見慣れた人が居た。

「...太宰さん。」

彼はもう酔い潰れて寝ていた。

俺はお酒が飲めないので、ノンアルのシンデレラというカクテルを頼んだ。安吾さんによく知ってますねと、少し苦笑いされた。飲まないがカクテルには興味があった。

「カクテル言葉って知ってます?」

安吾さんに聞くとなんとなくは聞いたことがありますと言った。

「じゃあ安吾さんにはこれ飲んでほしいな。すみません「オーロラ」をお願いします。」

俺がバーテンダーに頼むと畏まりましたとさっと作り始める。

カシャカシャと心地の良い音が振るたびに鳴った。

「どうぞ、オーロラです。」

カクテルグラスに入った紅色のオーロラはとても綺麗だ。

「それで、このカクテルのカクテル言葉は何ですか?」

「このカクテル言葉はですね、「偶然の出会い」です。」

安吾さんは少し目を見開くと微笑した。

「出会いに乾杯ですか?」

「そうですね、安吾さん。乾杯。」

ちりんとガラスのぶつかる音が静かな室内に響いた。

「Aさん。」

シンデレラを飲んでる途中、安吾さんは口を開いた。

「幸せですか?」

「...はい、とても。」

俺はちらりと酔い潰れた太宰さんを見た後、安吾さんの目を見てそう言った。

「太宰さんと居るのも。探偵社の皆と居るのも。勿論安吾さんと居るのもね。」

「そうですか。」

安吾さんは微笑んだ。

帰り、太宰さんを抱えて帰ったのは言うまでもない。

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舞華 - 物凄く面白いです! 私にしては珍しく泣きそうになりました。←知るか、ですよね。ごめんなさい。 更新期待しています! (2017年8月23日 22時) (レス) id: c608e0f4fb (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - 続きが気になります!更新頑張って下さい! (2017年8月12日 13時) (レス) id: 8ef45f8c23 (このIDを非表示/違反報告)
(~・д・)~ - めっちゃこの作品面白いです! 実は一章の最終話泣きましたw そのくらい見ごたえがあります! これからも頑張ってください!! (長文失礼しました…。) (2017年5月8日 23時) (レス) id: 4c2464909d (このIDを非表示/違反報告)
あらりぶ(プロフ) - お話面白かったです。更新頑張ってください! (2017年2月5日 17時) (レス) id: ddec9d4afe (このIDを非表示/違反報告)
明石(プロフ) - オリフラを外してください (2017年1月9日 12時) (レス) id: d2dad95824 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜野 空 | 作成日時:2016年12月29日 15時

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