ワンルーム・ラブ 〈赤〉

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もう季節は秋になった。








あの日からしげは一度も帰ってこない


全部私が悪いのは分かってる。





連絡なんていくらでも出来たし

あの時、追いかけて謝ることだって出来た。





バカだ。





今更、って思われるのが怖くて

未だにごめんが言えない自分がいる。









1人になった部屋、
置きっ放しのしげの服、


どうしても耐えられなくて





少しでも家にいる時間を減らすために

朝から夜までバイトをして、て





そんな生活をほぼ毎日。








おかげで加奈子と奈帆に心配されて


事情を話せばいつでも家においで、って言ってくれた



望くんもまたみんなで呑みにいこうって励ましてくれて





ホント、みんなに気を使わせてなにやってんだ







「A、最近ちゃんとご飯食べてんの？」


「え？うん、食べてるで、バイトもまかないついてるし」


「そろそろ一緒に呑みにいこうや、今日は？」


「あぁ…ごめん今日もバイト」





誘ってくれるのはありがたいけど、と
下を向くと思いっきり頭を叩かれた。





「痛ぁっ、」


「なんなん！最近！
Aらしくないわ、あんたそんなんやったら死んでまうで、こっちにも望くんらにも気を使わせて」


「ごめん…」



「なんかムカついて来た、だいきくん今どこにいんのよ！ほんま一発殴ってやりたいわ！」






加奈子が眉間にしわを寄せて私の背中を叩く


痛いけど、私の為にそんな事を言ってくれることが嬉しくて久しぶりに笑えた。



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