紅い噛み痕をつけて【AtR】

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＊


「彼方さんばっかとイチャイチャされたら黙ってられないですよ」


気づけば、真冬の特等席だった
ソファに追い詰められていた




「…してな…いってば」




その言葉に不敵な笑みを浮かべた彼はわたしの体をぐっとソファに押し倒して





「…僕とも、イチャイチャしよ…？」





なんて可愛い顔でコテンと首を傾げて言う








「イチャイチャ…？」





天井を見れば、赤い瞳を揺らす真冬が見える





「首の痕消えてきちゃってるね…」





スッと最初に噛まれた場所を指でなぞられた







「A、なんでそんな怖い顔してるの？」





また、噛まれるのかと思うと
あまり噛んで欲しくない。




真冬がそんな素振りを見せてたら
彼の肩を掴んで、近づかないようにしようと思っていた。






「あぁ、もしかして噛まれるって思った？」






口元を少し緩ませて
ふっと笑った。





「……っ」





「噛みたいけどさ、痛いの嫌だもんね？」





私の頭をふわっと撫でて
そう聞いてきたから
私は大人しく頷く





「でも、つけさせてよ」







__紅い痕を。





彼はそう言ってチュッと首にリップ音を立てた




「ぁっ、やっ！」





思わず真冬の肩を掴んだのに、


その手を真冬は掴んでニコッとした







「A、僕がそんなんでビクともしないことくらいわかるでしょ？」









赤い瞳の奥に
真っ黒な色を感じて




そんな瞳に目を奪われていたら





彼の唇は私の首元にあった




「真冬っ…嫌いになるよ…」





そう呟くと






私の方が変になりそうなくらい
低くてドスの効いたような声で






「Aが大人しくすれば、痛くないんだから」







誰か。









ねえ、彼方…助けて…

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