bite21 ページ21
＊
朝、今日はようやく1週間だ。
朝、昨日の夜聞いた通り
真冬は家から出てきた
大丈夫なのだろうか
立ち止まる真冬に声をかけると
少し俯いたまま返事を返された。
やはりまだ体調が優れないのか
それとも
あの薬は最終日に、厄介ごとを起こすのか
どちらにしろ
私の予想は当たって欲しくない
＊
「待ってA」
下駄箱で履き替えて
教室へ行こうとしたら、
真冬に止められた
「ん？」
「こっち来て欲しい」
そう言って勢いよく手を引かれたまま
着いた先は最初に真冬に猫耳が生えた空き教室だった。
「真冬どうしたの？」
その声に振り返った彼はいつもと、雰囲気が違った
「A〜」
私に抱きついてきて、ふふっと笑った
私はイキナリのことに、
彼の肩を押すと
その手をパシッと掴まれて
私と目を合わせた
「真冬…っ…目が赤い…」
「え？そう？」
優しいオーラがいつもみたいに出てなくて
彼の口角が上がったかと思えば
掴んだ手首をそっと唇に近づけた
「夏なのに、Aの腕は真っ白だね」
赤く光る瞳はどうみてもいつもの真冬じゃなくて
「離して、真冬……」
嫌な予感がした。
「もう、抑えられないよ。僕」
耳が生えたと思えばそれは全然猫耳なんかじゃなくて
チュッと手首にキスされたかと思ったら
歯を立てて少し痛いくらいに噛みついてきた
「痛っ…ねぇおかしいよ、どうしたの」
「……んふっ…痛い？」
「やだっ、真冬っ…目覚ましてよっ…やっ…噛んじゃやだ」
耳も最近ずっと生えてなかったのに、
その耳が狼だと気づくのに、
彼が、
「煩い…」
「え、んっ………」
1匹の狼のように
私のことを食べようとしてるなんて
全然気づかなかった
「キスしないと、黙れないの？大人しく僕に食べられてろよ」
舌舐めずりをした真冬の目の色も
表情も
声色も
少しいつもより低くて
聞いたことのないような彼の声に
ゾワっとした。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2021年3月9日 15時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 桜さん» どちらか選んだら、あとあとどちらも〜ってなりそうで考え出したら止まらないですよね^^。桜さんが授業中にニヤニヤしてしまうストーリーが考えられたならとても嬉しいです (2019年9月15日 21時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - うおおおおおおおお！！！うほーーーーー！！！ｳﾎｳﾎｳﾎｳﾎ←ゴリラ (2019年9月12日 19時) (レス) id: 03a9afc29d (このIDを非表示/違反報告)
桜 - どっちかを選ぶとしたら、選べない！幼馴染みのまふくんもいいけど、いつも笑顔の無意識系あざとい王子も捨てがたい…。授業中に妄想してしまう…！ (2019年9月11日 19時) (レス) id: 03a9afc29d (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 桜さん» 幼馴染設定、結構いいですよね！！使いやすくて、気づいたら使ってしまいます(^^) (2019年9月10日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rmd | 作成日時：2019年8月25日 22時
