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「遅くなりましたが…契約に先立ち、
我が探偵部の部員を紹介させていただきます」
赤髪の男子が手を2回叩くと、彼の後ろに5人が並ぶ
「右から順に…まず、この金髪が椎名です」
「………」
軽く頭を下げるとそっぽを向いてしまった。
「すみません。今ちょっと機嫌が悪くて」
「そしてその隣が副部長の月見山です。
私はここに顔を出さないことが多いので、
もし何かあった場合は彼女にご相談ください」
「可愛い子はいつでも大歓迎だよ♡」
「その隣が椎名と同じく一年生の一ノ瀬です」
「よ、よろしくっす!」
「そしてポニーテールが喜多川です」
「…よろしくお願いします」
「で、1番端が加瀬です」
「よろしくお願い致します」
「そして…申し遅れました。私がこの探偵部部長の
土岐と申します。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
「…さて、先程の
"白鳥雪那を探してほしい"
という件についてですが…」
メモ帳の切れ端とボールペンがテーブルに置かれる
「こちらに氏名と依頼内容、それからサインを」
「わ、わかりました」
言われた通りに紙に記入していく。
「あの…お代は…?」
そっと鞄から財布を取り出す。
探偵部のもう一つの噂。それは、
"金さえ出せば何でも望みを叶えてくれる"
逆に言えば、依頼自体にお金が必要ということ。
「ああ…そのことでしたら結構ですよ。
前は報酬として内容によってはそれなりの額を
いただいていましたが、ひと頃からやめたんです」
「でも…それじゃあそちらにはメリットが…」
「いえ、ありますよ」
「お金より"良いもの"が」
不敵な笑みを浮かべる土岐さん。
「そう怖がらないでよ。土岐っちも程々にね」
そう言って笑う月見山さん。
「…ところで飯塚さん。
この後、お時間はありますか?
よろしければ御依頼について詳しくお聞かせ下さい」
「は、はい。分かりました」
紳士的な笑みを浮かべる加瀬さん。
若干不安もあるが…物は試しに。
今回は探偵部を信頼することにしよう。
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作者名:マルトメティー | 作成日時:2021年5月23日 17時