小さな小さなお姫様 ページ4
(――――……ふむ、ずいぶんと食が細いな……)
小官の膝に座り小官が作ったおにぎりを食べるAを観察しつつそんなことを考える。
左馬刻や銃兎に普段ふるまうような料理ではきっと重いだろうと思い簡単なものにしたのだが…正解だったようだ。
小さな手でおにぎりを持っては小さな口でモグモグと咀嚼するAに頬を緩める。
「……りおーおにーさん、おいしい」
理「嗚呼、ゆっくり食べるといい。逃げたりもしないぞ」
「……うん」
頭を撫でつつそう言えば、Aは初めて笑った。
(――――……………初めて、笑ったな)
緋色の右目を少し細めて慣れない笑みを浮かべるAに驚きつつも微笑む。
……そういえば、右目は見えるが左目は前髪で見えないな……。
………まぁ、急ぐことはないか。
もうAは此処にいるのだから。
―――――………両親の元に帰ることは、もうないのだから。
(――――……偶には、散歩もいいものだな。いいものをこうして拾うことが出来た。)
「……??……りおーおにーさん…??」
理「……A、小官の傍にいるというのなら小官がAを守ろう」
「………りおーおにーさんつよい…??」
緋色の目を丸くしては少し首を傾げるAに胸の奥に黒い感情が広がるのを感じつつも優しく手を握る。
理「嗚呼、小官は強い。だからAのことを必ず守ろう」
「…………」
そういえばAの手を握る小官の手をAがジッと見つめる。
………もし、居ると言えばいいが……嫌だと言ったその時は………―――――
?「――――……おーい理鶯、何処に………あ…??」
?「どうしたんですか左馬刻………おや…」
(――――……しまった、Aに気を取られて気配を悟れなかった……小官としたことが…)
そういえば今日は二人が来る日だったな……。
理「左馬刻、銃兎、すまないな出迎えが出来なかった」
左「……いや、それより………」
銃「……ふむ……理鶯、そちらの子は……??」
Aを下ろし立ち上がりつつ、Aを見つめる二人になんと説明したものかと思っているとAがそっと小官のズボンを握った。
「…え、と……A、です……」
左「…おう、俺は碧棺左馬刻。左馬刻でいいぜ」
銃「お名前が言えるんですね、私は入間銃兎です。銃兎、でいいですよ」
理「安心しろA、二人は小官の仲間で信用できる者たちだ」
Aに微笑みそういえば小さくコクンと頷いた。
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星妻桜@姉妹同盟(プロフ) - のづさん» …気が合いますね…とりま親ころころしたい (2020年8月23日 1時) (レス) id: fe16128dce (このIDを非表示/違反報告)
のづ - ぅぅぅぅぅぅ、好きです!、はい!!もぉぉぅ、ストーリーが私好み、、、更新楽しみにしてます! (2019年9月15日 0時) (レス) id: dfac6954d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@黒 | 作成日時:2019年7月10日 10時