わたし、メリーさん。いま、八尺様について話しているの……。 ページ15
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「俺の家、実は神社持ってるんだよ。」
「え……。」
「は……？」
予想外のカズの言葉に、思わずぽかんと口を開けた。そんな事などお構いなしに、カズはぺらぺらと喋り続ける。
「家族代々受け継がれてきたらしいんだよ。古いから今は参拝する人も全然居ないけどさ、親父が毎日掃除してるから、中は結構綺麗だぜ？」
神社……。そういや確かにカズの家の近くには木造の大きな神社があった。それのことだろうか。
でもだからって、そんなに詳しいものだろうか。
「何度も言うけど、結構古い神社だからさ、“出る”らしいんだよ……。」
「だから、対処法とか調べてたら、いつの間にか色んな知識が身に付いてたんだよ！！」と叫ぶカズに、僕はなるほどと頷いた。
「……八尺様を知ってるなら、話は早いの。」
メリーさんはそう言うと、どこからか出てきたホットココアをそっとすすり、再び真剣な顔で口を開いた。
「八尺様は、さっき……えーっと、そうそう、“カズ”が言ったように、白いワンピースを着た、背の高い女の姿をしている怪異なの。」
「なんでカズの名前は間違えねぇんだよ……。」
あっきーのじっとりした視線を完全に無視し、メリーさんは言葉を続けた。
「ここからが肝心なの。八尺様に魅入られた人間は、長くても二、三日以内には亡くなってしまうと言われているの。」
「そんな……！！」
「どうにかして、対処できないんですか？」
そう聞くカズに対し、メリーさんはあっけらかんと言った。
「対処できないこともないの。」
「え。」
「詳しく話すと長くなるけど……取り敢えず、順を追って説明するの。」
メリーさんはそう言うや否や、どこからか手作りのフリップを取り出してきた。しかも地味に絵が上手い。
「自信作なの。」
「俺の命かかってんのに、随分と余裕だな……。」
「えーっと……八尺様に魅入られると殺されるっていうのは、さっき話したの。そこで、その対処法についてなの。」
メリーさんがフリップを一枚めくった。そこには住宅街の絵があり、四隅には地蔵も描かれていた。
「八尺様は、基本的にはこの結界からは出られないの。だから……。」
「こっちがその結界から出てしまえば、助かる……？」
「そう言うことになるの。」
口角をきゅっと上げたメリーさんは、顔立ちは整っているので絵になるものの、まさしく「怪異」と呼ばれるにふさわしい、不気味な笑顔だった。
わたし、メリーさん。いま、ヒロとカズを待ってるの……。→←わたし、メリーさん。いま、三色トリオが集結したの……。
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AYA - 初めまして。私も怖い都市伝説の中ではメリーさんが一番好きです。このメリーさん、優しくてほっこりしてきゅんしますね。話もとても面白いです。無理がない範囲で更新頑張って下さい。応援してます。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
麦カケ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。メリーさんは怖いイメージですがこちらの作品のメリーさんは優しくてほっこりしました。お話とても面白いです！作者様のペース、無理がない範囲で更新等頑張ってください！ (2021年2月2日 22時) (レス) id: ea0439ca7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍沢 | 作成日時：2020年12月30日 18時
