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目覚め ページ2
薬のようなにおいが鼻を突いた。
ピーーー・・と電子音が途切れることなく鳴っている。
閉じていた眼を開くと、ぼんやりと景色が見えてきた。
白い天井。沢山の機械。
だんだん視界がはっきりしてきた。
機械にうつる0の数字。よくわからない英語が書かれた無数のコード。
僕の右に居るのは
「承太郎っ!!?」
飛び起きて友人の顔を見た。
泣いていた。
嗚咽も漏らさず、静かに涙を流している。
「どうしたんだ!?承太郎!!」
驚いて手を伸ばしたが、僕の手は彼には当たらなかった。
すり抜けた。
僕の手は、彼の身体をすり抜けていた。
「っ!?」
驚いた直後、激しい頭痛が頭に響いた。
思い出す記憶。
旅路。星のアザ。吸血鬼。拳。時計。最後のメッセージ。
そして、彼の声。
『伝えたいことが、あったんじゃなないかい?』
ああ、だれか、これは悪夢だと言ってくれ。
逃げ出したい気持ちで、ゆっくり後ろを振り返った。
ベッドには、
もう起きることのない、花京院典明が眠っていた。
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作者名:ぴこ | 作成日時:2013年11月22日 20時