【鬼滅の刃】消させないよ、誰にも その2【炎炎ノ消防隊】

77話　やるしかない ページ31

Aside


列車から全員を脱出できる方法を見つけた私は、その前段階として鬼の攻撃を斬りまくった。再生能力があり、斬っても細胞がウニャウニャ出てくるわけで切りがない。

そのことに苛立ち始めていると後ろからブワッと風が吹いた。「何？」と思って振り返れば、そこには煉獄さんがいた。



「目が覚めたんですね……よかった」

「菅野原少女。君が車掌さんから距離をとったのは、こういうことだったのか」

「……気づいていたのに教えてあげられなくて申し訳ないです」

「いや……俺もまだまだ鍛錬不足だということだな。気にすることはない」



それにしても煉獄さん。
どうしてここにいるんだろう。

そんな疑問を読み取ったかのように今の状況を説明してくれた。炭治郎達が鬼の頸を探している間、ここを含め後方5両を私と煉獄さんで守るんだと。それ以外は、善逸と禰豆子ちゃんが守ってくれているらしい。



「……守るのは構わないですけど……」

「何か問題があったのか？」

「……いつまでもこの車両に乗客を置いておくのは危険です。一刻も早く外へ避難させるべきです」

「だが……動いている間は手が出せん」

「……その動きを止められるとしたらどうですか？」

「……何っ？」



正気かと言いそうな顔で私を見てくる煉獄さん。鬼の再生を弱めるためか、列車の壁一面に斬撃を放っていたこともあり、少しの間話す余裕ができた。



「……私の能力を活かせば、なんとか脱出する時間は稼げるかと」

「……どのような方法なんだ、それは」



煉獄さんの真剣な表情を見ながら、私の考えを順に説明していく。その方法が確実ではないこと、失敗すれば命がないことなどある程度のリスクがあることも伝えた。



「……うむ…」

「…この体が本体ならば、少なからず鬼の頸を斬ったときに影響が出ます。鬼と言えど痛覚はありますからね」

「……だが、そのようなこと本当に……」

「やるしかないですよ。四の五の言っている暇があるなら、やれるだけのことをやりましょう。鬼退治に巻き込まれている乗客のことを考えれば、ここで駄々をこねている場合じゃない」

「……それも、そうだな」



無理に意見を押し通した形になってしまったが、仕方がない。こうでもしないと、リスクにばかり気がいってしまい決断力が乏しくなってしまうから。





……まず第一に考えるのは乗客の安全。








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