【鬼滅の刃】消させないよ、誰にも その2【炎炎ノ消防隊】

63話　電車ではなく汽車 ページ17

Aside


炭治郎達と一緒に訓練をする毎日が過ぎ、また任務に赴く日がやってきた。



「……えーっと」



烏丸からの伝言で“駅に来てくれ”ということだったため、しのぶさんに場所を聞いてそこへ向かった。今は私の監視役である柱の人を探している。

駅といっても、私がよく知るような場所ではなかった。浅草のように原国の名残がある。それに、“電車”ではなく“汽車”という乗り物だ。蒸気機関車というやつだろうか。



「…んー…あの人、かな…？」



ホームのベンチで「うまいうまい！」と大量の弁当を頬張っている人が目につく。見るからに他の人と雰囲気が違うこと、帯刀している刀が羽織からチラチラ見えていることなどを踏まえ確信し、声をかけてみた。



「あのー……炎柱の煉獄さんですよね…？」

「…うま―――よもや、君はあの炎少女ではないか！」

「……菅野原Aと言います。よろしくお願いします」

「うむ、このお弁当はうまい。君も食べるといい」

「あ、遠慮しておきます…昼食べてきたんで……」

「戦前に腹ごしらえをしなければ体力が持たないぞ。遠慮しないで食べてくれ」

「はあ……」



思った通り柱の人ではあったんだけど、なんかお弁当を無理やり進められた。腹ごしらえって…この人どれだけ食べる気なの？と彼の横に積み上がる弁当を見て素朴な疑問を浮かべた。

もらったのに食べないわけにもいかず、彼のスピードに合わせて咽ながら必死に食べた。私が食べ終わってもまだ弁当に手を付けていたため、先に列車が到着してしまい、中までもっていく羽目になった。(切符は煉獄さんがあらかじめ買っておいてくれた。申し訳ない。)


席に座っても「うまいうまい」と食べ続ける煉獄さん。その様子を見ながら、鬼を倒しに行くのに呑気だなーとぼんやり考えていた。

それにしても、彼の格好はすごく興味を引くものだ。羽織の柄は炎をイメージした感じだし、髪の色もそれに近い。鬼退治というより、火消しに行くんじゃないかと思うくらいだ。



「…うまいうまい！」

「(腹膨れないのかな……)」



煉獄さんと向かい合う形で座っている私は車内の様子を一通り見ていた。

この列車って全部木造なのかな？
歩くたびにキシキシッと音が鳴るから少し不安だなぁ。

……着物を着ている人がいるな。
それに、洋服もTシャツとかじゃなくて、ドレスやタキシードみたいな格好の人が多い。







なーんか歴史の教科書に出てきそうな感じ。








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