61話 扱いが上手い ページ15
炭治郎と違い、やる前からすでに戦意喪失しかけている善逸と伊之助。その二人にしのぶさんは追い打ちをかけるような言葉を投げかけていた。
「これはまぁ基本の技というか…初歩的なものなので、できて当然ですけれども……会得するには相当な努力が必要ですよね」
「ん?」
ニコニコ顔で「できて当然!」という言葉を連呼するしのぶさん。伊之助の肩をペシペシ叩きながら「できないのなら仕方ないです」と言ってしまう始末。
なんかしのぶさん……煽ってない?
「はあ゛ぁぁん!? 出来てやるっつーの当然に!! なめんじゃねぇよ、乳もぎ取るぞコラ!!」
「あ……」
「頑張ってください、善逸君!! 一番応援していますよ!」
「はぁ…ぁぁ……はいぃぃぃぃぃぃ!!!」
「ええええええっ!?」
伊之助はまんまと煽りに乗ってやる気になり、善逸もしのぶさんの応援コールを聞いて有頂天になっていた。二人のやる気を引き出すには、とっても効果的でその扱いを十分に分かっているわけですね。やばっ。
「Aさんもやってみますか?」
「あ……」
善逸と伊之助がやる気になり、炭治郎と3人で「頑張るぞー!」と声を掛け合っている様子を見ながら、しのぶさんは私にそんなことを言ってきた。
……あれ、気になってたのバレてた?
「…いいんですか? 私なんかにも…その、教えていただいてしまっても……」
「…いいんですよ。興味を持つことは大切です。そんな遠慮しないでください!」
「ありがとうございます!……一からでもお願いできますか?」
「もちろんですよ!」
しのぶさんのご厚意により、私も“全集中・常中”という技の仕組みを教えてもらえることになった。ただ、常中する前に全集中の呼吸が分からなかったため、そこから教えてもらった。
目をつむり意識を集中させ、呼吸を深くし、体中の酸素を―――。
「スゥゥゥゥ……」
「…っ! (もう、出来ている…!?)」
……体中の酸素を効率よく使い、発火の持続時間を上げる。
……風の動き、波の音、炎の波長を感じ取る。
ボウボウ…という音を聞いた途端、私は目を開いた。
「あ…あぁ!! ご、ごめんなさい!! 消火準備も許可もなしに!」
「Aさん……」
無意識に両手から炎を発火させていた。部屋の中ということ、消火準備が不十分だったこともあり、私は「みず、水ぅぅぅ!!」と叫びながら火事に発展しないよう努めた。
……やり過ぎました。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時