48話 地獄…? ページ2
Aside
私が鬼殺隊で預けられることになってから早1か月。
蝶屋敷での生活にもだんだん慣れてきた。
アオイさん以外の蝶屋敷の人達とも話すようになったよ。
カナヲちゃんに、なほちゃん、きよちゃん、すみちゃん!
―――まあ、カナヲちゃんはなかなか話してくれなかったけど。
『えと、は、初めまして! 菅野原Aです!』
『……』
『あ、えっと……突然ごめんなさい! しのぶさんのご厚意によりお世話になっている者です』
『……』
そのあと、コイントスをしたかと思えば、「栗花落カナヲ」と名前だけ教えてもらったんだ。
しのぶさんに事情を聞いたところによれば、カナヲちゃんはコイントスで自分の意思を決めているらしい。決めることが苦手なのかな……?
それから、蝶屋敷でお世話になるからには何かしら仕事がしたくて、しのぶさんとアオイさんにお願いしたんだ。それでしのぶさんから「任務の許可が出るまでお願いします」と、食事の準備、洗濯、掃除と主に家事全般を任されたのだ。
――――って。
ここでの暮らしに慣れてしまっていいのか?
洗濯を干し終えた私は、一人縁側でため息をついた。
「早く帰らねば……」
この1か月、しのぶさんに許可をもらっては帰れる方法を探していた。
上空を飛んで山を越え、見覚えのない光景に少し浅草に似た何かを感じたりはしたけど。第8が管轄していた街の風景は見えてこない。
そもそもなぜ私があの森にいたのかもわからないし、ネザーにいたのに地上にいる意味も分からない。
「ネザー……か」
『ネザーは地獄とつながっている……人ならざる者が住まう不浄の地です。
ちょー怖いんです』
ネザー突入前に言われたシスターの言葉を思い出し、私はブルブルと体を震わせた。
じ、ごく……
人ならざる者……
―――頭に浮かぶ、森で出会った“鬼”の姿。
「うひゃぁ!」
まずいまずい。
待ってよ待って。何でこんな時にそんなことを思い出すの。
「そ、そそそんなことないないないない。私は生きてる、私は平気、怖くなんかないもーんだ。鬼なんてへっちゃらだ! ネザーなんて……ネザー……なんて……」
『地獄……人ならざる者が住まう―――』
ゾクゥゥゥと背筋が凍った。
「……っ平気なんだよ、クソ野郎ぉぉぉぉ!!!」
「Aさん…?」
「へ? あ……」
随分と恥ずかしいところを見られてしまった。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時