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サトシを囲むように四人が動く。
正面にはジュンが不敵な笑みを浮かべて立っている。
得意の大剣を肩に担ぐようにして構え、がら空きの腹部は誘っているようにしか見えない。
ふっとサトシが動いた。
目にもとまらぬ速さでジュンの腹部を狙い細剣を繰り出す。
それを予測していたジュンは、ひらりと避けるとサトシをやり過ごした。
この一連の動作で体勢が変わり、サトシの背後に着くものはいなくなった。
まんまと誘いに乗せられたと見せかけて、難なくサトシは好位置に移動することに成功したのだ。
「あんたでも背後を取られるのは嫌か？」
してやられたはずのジュンが可笑しそうに言う。
「魔物なら平気だけど、人は嫌かな」
「魔物なら平気って…それ、本気で言ってんの？」
ひとりの隊員がサトシとジュンの会話の間にじりじりと移動していく。
それに反応したサトシの視線が移った瞬間、他の二人が同時に切ってかかる。
キンッ
ガキッ
サトシは軽々と二人の剣戟を左右に受け流し、もう一人の剣をふわりと避けた。
避けたところにすかさずジュンの大剣が振り下ろされる。
細剣で受けたらひとたまりもない勢いのある一撃。
サトシはそれを高く跳躍して躱し、そのまま一番近くにいた隊員の肩を掴んで身体をひねり
背後に降り立った。
喉元には細剣が当てられている。
「参りましたッ」
一瞬固まったその隊員はそう叫んで戦線を離脱する。
「さすが隊長、やるねえ」
ジュンは楽しんでいる。
「あと三人」
そう言って、すうっと息を吸い込み細剣を構えたサトシの纏う空気が変わる。
まるでそれは
清涼で静謐な泉の青と
冬の張りつめた真白き空気を思わせる。
「そう来なくっちゃ」
ジュンが低く呟き、大剣を構え直す。
「来るぞ」
二人の隊員にジュンが合図するのと同時にサトシが動いた。
ザッ
一気に間合いを詰めたかと思うと滑るように横へ移動する。
ザザッ
迫ってくるサトシに思わず反応して剣を突き出した隊員は、まんまと乗せられた形になり、
気が付けば剣は弾き飛ばされていた。
ガランッガラガラッ
派手な音とともに剣が地面に落ちる。
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bunkichi(プロフ) - AKIRAさんこんにちは。心が通じ合ってる大宮のお話しも大好きです。ほんとにこの2人は一心同体だよね。魘されてる原因がもう1つあるんだね。上級魔道士ニノちゃん、なんとかしてあげて〜！ (2020年7月18日 5時) (
レス) id: b3195af20e (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» bunkichiさん、こんばんは。この数回の更新は四男とのエピ。不機嫌なふりしてめちゃめちゃ心配してる（笑）ここは元のお話を大幅に書き直しました。だって大宮だもん。大好きなシーンになりました。いちごじゃないけど楽しんでもらえたらいいな。次は移行しま〜す！！ (2020年7月18日 1時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさんこんにちは。更新ありがとう。ライさんが亡くなった後、智くんは周りの人から非難されたりして辛い目に合うのかと思ってたから、少し安心しました。心の傷も体の傷も癒えてなくて苦労してるけど、がんばって健気だわ。続き楽しみにしてます。 (2020年7月11日 11時) (レス) id: 6cd85052c0 (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - えー！まだまだ辛いですって！智くんがかわいそうな目に合うのは慣れてるし、逆に可哀想で萌えちゃうから大丈夫。楽しみにしてまーす。 (2020年6月28日 19時) (レス) id: 6cd85052c0 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» bunkichiさん、こんにちは。過去編も中盤（え、まだ中盤？）樹海から戻った長男に次の試練が…。そうです。まだまだ辛い！！可哀想だけど、さらに頑張ってもらいます。面白くないかもしれないけど、大事な課程なので。そして付き合ってもらえると信じてます（笑） (2020年6月28日 17時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2020年6月6日 1時
