Ep.3 つまりやらかしたってことでよろしいか？ ページ3
それから数刻の後、千岩軍が慌ただしく町中を走っていくのを横目に小さく息を吐く。
どうやら「予定通り」始まったらしい。
「……もし私が一周目の記憶を持たないまま転生してたら、こんなに落ち着いてもいられないんだろうな。」
二周目の私…いや、今もそうではあるんだけど、「二周目の私」はあの方を心の底から慕っていた。
それこそ、身代わりになって息絶えるが本望…くらいに。
もちろんあの方はそんなこと望まないだろうし、そもそも私にかばわれるほど弱くもない。
気持ちの問題だ。気持ちの。
きっと一周目の記憶がなければ淡い期待を胸に毎年迎仙儀式を見に行っていただろうし、あの方が死んだなんて聞いたら自分を保てなくて発狂していたかもしれない。
それを考えれば記憶を持っていてよかったのかもしれないが。
「…うーん、どこまで進んでるのか見に行きたい、けど…」
記憶通りに事が進んでいれば、旅人はそろそろファデュイの執行官と対面している頃だろう。
離れていると何が起こってるのかわかりづらく、て………
………
……あれぇ、見間違いかなあ。
少し遠くになんか見覚えのある金髪の旅人さんが見える気がするなあ。
気のせいじゃなかったら、その隣にもなんか見覚えのある人がいるなあ。
…
…
あぁ〜〜こっち見…
たぁ〜〜〜ッッぶなぃ〜〜！！！！！
なんか珍しい服の人いたからどこの人だろうなぁって見てただけですよどうもすみません。
という雰囲気を醸し出しながら自然(当社比)に視線を逸らす。
なんでわざわざ危ない橋を渡りに行った私。
知っている。
あの人は関わってはいけない人だ。
＿＿＿＿執行官、「公子」タルタリヤ。
気付かれたら一番めんどくさい…以上にストーリー進行上まずい人間。
頭が良くて、敵で、主要人物で、なんて最悪の条件にもほどがある。
まさかとは思うが、今の一瞬で目を付けられていたら最悪の事態が起こりかねない。
……いや、大丈夫大丈夫。
一般市民にちょっと見られてたくらいで気にする…気に…しそうだから嫌なんだよな…
ストーリー進行以外での彼の行動はわからないから、それ以外で何をしていたのかは知らない。
最悪、黄金屋にさえいてくれればいいんだけど…
それさえも変わってしまったら？
……やってしまった以上、今気にしても仕方ないか…
まずいことにならなければいいけれど。
そんなことを考えているうちに旅人達はどこかへ行ったようで、私はひとまず息をついた。
Ep.4 つまりギリギリセーフってことでよろしいか？→←Ep.2 つまり逃げ切るってことでよろしいか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブックマーク＠りんごおれ(プロフ) - ものすごく最高です応援しています！ (2023年3月4日 17時) (
レス) id: 30dece2dde (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - ありがとうございます……！ 大遅刻更新ですが、良ければこれからもどうぞよろしくお願いいたします……！ (2022年12月23日 22時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - とても面白い作品ですね！！楽しく読ませてもらっています。更新楽しみにしてますね！！！ (2022年12月2日 22時) (レス) id: 7981f63c4d (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - 有害物質さん» 読んで頂きありがとうございます！ 更新頻度は遅くなってしまっていますが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです……！ (2022年11月27日 16時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
しろぐみ - ゆいﾋﾟさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます……！ もうなんと言いますかどんどん無料で読んで頂ければ嬉しいですといいますか……！ 良ければこれからもどうぞよろしくお願い致します…！！ (2022年11月27日 16時) (レス) id: 02baec0345 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろぐみ | 作成日時：2022年3月30日 16時
