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それは突然に。 ページ1

出会いは突然に訪れた。




「アカデミーにとんでもない天才が現れた」

「え?1人はうちはイタチでしょ?……あとひとり誰?!」

「知らないの?AAよ!」

「あー!確か自来也様が遊郭から連れてきたっていう」

「そんなすごいの?」

「俺も聞いた話だけど、イタチに引けを取らないらしいぞ。」

「へえ!じゃあ暗部(出世)コースまっしぐらかもねー」



暗部の同僚がそんな噂をしているのを耳にした。
彼女の存在は昔から知ってはいた。
自来也様が突然遊郭から連れてきた一人の少女という噂は瞬く間に里中に広まった。
伝説の三忍の娘といえど、よそ者という人間が大半だった。


自来也様が旅に出て、4代目である先生に預けられているという噂は聞いていたけれど、俺も暗部に入ってからというものの忙しい日々を過ごしていて、先生に会うのも執務室がほとんどだったから、彼女に会ったことはなかった。


それからしばらくして、アカデミーの卒業式の翌日のこと。

任務報告に訪れた火影執務室。

先生と俺の間に女性が背を向けて立っているのが見えて振り返りざまに、軽く会釈した。


ミナト「カカシ、紹介するよ」


高い位置で束ねてる黒髪を揺らしながら彼女は礼儀正しくお辞儀をした。

顔を上げると、黒目がちな瞳と目が合った。
それがひどく印象的だったのを覚えている。


ミナト「僕の娘のA。名前くらいは知ってるかな?」


「噂くらいは聞いてるんで、名前は知ってます」


ミナト「そっか!ならよかったよ。カカシの部下になるからね、よろしく頼むよ」


自来也様は世界を旅してるもんだから木の葉に在住する期間も少ないとかなんとかで、先生の養子にしたという噂も聞いていた。


『カカシさん、噂には聞いてます。足を引っ張らないように精進致しますので、何卒よろしくお願いします!』


ニコッと笑ってまたお辞儀した。


なんだろな、この違和感。
まあいいや。



ミナト「てことで、二人とも仲良くね」


その時は大した違和感だとは思ってなかった。
早く帰って眠りにつきたくて仕方がなかったから、そんなことを気にしてる余裕が俺にはなかったんだ。



.

それはまるで空気。→



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作者名:ぺち | 作成日時:2019年9月25日 7時

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