第9話 ページ10
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カカシside
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昼過ぎに伝書鳥に呼び出され、火影室に瞬身で現れると、ミナト先生は書類に何か書き込んでいた手を止めた
カカシ「お呼びでしょうか」
ミナト「うん、早かったねカカシ。実は急ぎで君の指名で任務が入ったんだ。」
カカシ「指名ですか……!」
暗部という役職である以上、一般の任務とは違い依頼主がいないため、指名での任務が回ってくることは皆無に等しかった
ミナト「特例だけど僕も君が適任だと思うからよろしく頼むよ」
カカシ「はい、しかし4代目、どういった任務ですか?」
ミナト「今朝からAの姿が見えないらしいんだ。それで詳しく人に聞いたところ西門の警備隊が姿を見たって言っててね……少し心配だから君に探してきて欲しい」
カカシ「そんな……俺が適任だとは思えません。同じ一族のイタチの方が……」
ミナト「僕が適任だと思ってるって言ったでしょ。それにフガクさんからの指名だよ」
今の俺にAを探して連れて帰るという資格がないことは分かりきっていた
あんな風に接してしまったため、合わせる顔がない
ミナト「きっと君がきてくれるとAも嬉しいと思うよ。そしてね、フガクさんから君に探して欲しいっていうのは、君のことをうちは一族は認めているってことだと思うよ。
噂が広まって、そこから信頼を得ていくことはとても難しい。でも君の大切な人を守るという姿が本当だって思ってくれてるからこそ、君に指名が来たんだ」
だから早く行っておいで!とせかされ、急いで火影室から出て西門の方へと向かった
昔言われたダンゾウ様の言葉と、ミナト先生の今の話が俺の心の中でぐちゃぐちゃに混ざり合っていた
俺は一体何を信じればいいのかわからなくなっている
カカシ「俺にとってAは……」
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俺は泣いているAに何も言えず、ただそばにいることしかできなかった
『お兄ちゃんがいなくなって1人になっちゃった……これからどうしよう……』
カカシ「A、俺がオビトの代わりにそばにいるから。アイツの写輪眼で絶対お前を守る!」
黒くて大きい瞳が俺を捉える
『カカシは私のそばにずっといてくれるの?』
カカシ「うん、約束する」
そう言って恐る恐るAの頭を撫でると、笑ってくれて、安心したのを覚えている
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かな(プロフ) - とても好きな世界線です…‼︎応援しています! (2022年4月14日 7時) (レス) @page4 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナツ | 作成日時:2020年10月16日 18時