第1話 ページ2
.
サスケside
.
アカデミーが終わり、そのあと続けて自主練をしていたためもう太陽は沈み、ぼんやりと周りを紅く染め上げていた
急いで家へ向かっているのは、お腹が空いて気持ち悪いからか、母さんの怖い顔が浮かぶからか……
「ただいま」
静かに玄関を開けると見慣れない靴が一足丁寧に並べられていた
父さんが警備部隊隊長なだけあって、この家に客人が来ることは少なくない。
しかし今日はその父さんも仕事でおらず、兄さんも暗部の仕事があると言っていたため母さんだけのはず
恐る恐る母さんのいるダイニングへの扉を少し開く
そこにはこちらからは後ろ向きで背中しか見えないが女の人が座っていた
見覚えのない黒髪のショートカットの女
しかし、気になるのは服の背中に刻まれている"うちは"の紋章
さすがに俺の歳にもなると、うちは一族の中で知らない人はいない。
少し体勢を変えて考えようと後ろに足を引っ込める際に床の板がぎしぎしと軋んで音を鳴らしてしまった
するとそこにいた女の人が振り向き、顔を見ることができた
丸くて大きな目で俺を捉えると、ふんわりと優しい笑顔で迎えてくれた
『おかえり、サスケ。
大きくなったなぁ!久しぶりだね覚えてる?』
そう話しかけられるも、頭をぐるぐると回してもこの人の顔と一致する人はいなかった
ミコト「ただいま〜」
母さんが俺たち2人だけだった空間に入ってきて、緊張した空気を和ませてくれる
ミコト「サスケごめんね、せっかくAちゃんが1番に報告に来てくれたのに、ただ待つのもつまらないし一緒にご飯食べようと思って追加でお使いしてたの。すぐ夕飯作るね」
母さんの話の中に出てきた"A"という名前に耳がピクンと反応した
『ちょっとは思い出してくれた?もう3年も前だし仕方ないかな。これからはお姉さんになんでも頼ってね』
頭をくしゃくしゃに撫でられると、断片的であるが、こうして前にも頭を撫でられた記憶が蘇った
『ミコトさん!私もお手伝いさせてください』
それからは楽しそうにキッチンに立つ2人をぼんやりと眺めていると同時に、再び頭をぐるぐると回してAサンとの思い出を整理していた
51人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かな(プロフ) - とても好きな世界線です…‼︎応援しています! (2022年4月14日 7時) (レス) @page4 id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナツ | 作成日時:2020年10月16日 18時